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MMWR抄訳

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2018/03/02Vol. 67 / No. 8

MMWR67(8):247-249
Trichinellosis Outbreak Linked to Consumption of Privately Raised Raw Boar Meat — California, 2017

民間で飼育された猪の生肉摂取に関連する旋毛虫症のアウトブレイク ― カリフォルニア州、2017年

2017年1月15日、カリフォルニア州アラメダ郡保健局(ACPHD)は旋毛虫の幼虫を含む生または加熱不十分な肉により感染する蛔虫症である旋毛虫症の疑いのある症例について報告を受けた。この症例の家族や友人、少なくとも3名が発熱、筋肉痛、腹痛、下痢および嘔吐のため地域の病院を受診していた。この症例は2016年12月28日に行われたイベントに参加しており、そこで出されたラープ(ラオスの伝統的な生の豚肉料理)を含む豚肉料理が原因と疑われ、ACPHDによる調査が行われた。その結果、36名(イベント参加者29名と参加者が持ち帰った料理を食べた7名)に感染の可能性があり、うち20名の聞き取り調査にて確診例10名と可能性例2名が確認された[うち男性11名、アジア人11名、年齢中央値58(39~71)歳]。発症時期は2016年12月28日~2017年1月23日、9例が入院し(うち2例はICU)、9例が敗血症、7例が急性腎障害、2例が消化管出血(うち1例はNSAID投与による)を来した。骨格筋系損傷を示唆するクレアチンホスキナーゼ値上昇は8例[中央値2,821(566~25,467)μg/L、正常値:200μg/L未満]、敗血症を示唆する乳酸値上昇(は7例[中央値3.1(2.3~5.3)mmol/L 、正常値:0.5~2.2 mmol/L]、心筋損傷を示唆するトロポニン値上昇は6例[0.76(0.23~2.02)μg/L、正常値:0.10μg/L未満]に認め、確診例10例は血清学的検査陽性であった。イベントでは3種類の豚肉料理(シチュー、グリル、生ラープ)が出されていたが、旋毛虫症との関連性は生ラープのみに認められ、発病率は100%、相対リスクは3.33であった。イベントの主催者はカリフォルニア北部の家族経営農場で飼育、屠殺された猪であると報告した。飼っていた農場主は、市販の飼料以外は与えておらず、また、ネズミなどげっ歯類の侵入を否定したが、ニワトリのヒナ鳥などの小動物が檻の中に入り、豚がそれを食べることはたまにあったと述べた。このことから旋毛虫症に感染した小動物を猪や豚が食べたと考えられる。農場主には生肉を30日間冷凍し、調理する場合は、内部を幼虫が死滅する71.1℃以上とするよう指導した。

References

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  • Food Safety and Inspection Service (FSIS), United States Department of Agriculture. FSIS compliance guideline for the prevention and control of trichinella and other parasitic hazards in pork and products containing pork. Washington, DC: Food Safety and Inspection Service, United States Department of Agriculture; 2016. <https://www.fsis.usda.gov/wps/wcm/connect/2ca75475-3efd-4fa7-8f34-7393c245a1df/Trichinella-Compliance-Guide-03162016.pdf?MOD=AJPERES>
  • CDC. Parasites: trichinellosis (also known as trichinosis). Epidemiology & risk factors. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2012. <https://www.cdc.gov/parasites/trichinellosis/epi.html>
  • CDC. Surveillance for trichinellosis—United States, 2015 annual summary. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC, 2017. <https://www.cdc.gov/parasites/trichinellosis/resources/trichinellosis_surveillance_summary_2015.pdf>
  • Wilson NO, Hall RL, Montgomery SP, Jones JL. Trichinellosis surveillance—United States, 2008–2012. MMWR Surveill Summ 2015;64(No. SS-01).
  • Springer YP, Casillas S, Helfrich K, et al. Two outbreaks of trichinellosis linked to consumption of walrus meat—Alaska, 2016–2017. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2017;66:692–6. <https://doi.org/10.15585/mmwr.mm6626a3>

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