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MMWR抄訳

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2017/09/01Vol. 66 / No. 34

MMWR66(34):909-913
Awareness, Beliefs, and Actions Concerning Zika Virus Among Pregnant Women and Community Members — U.S. Virgin Islands, November–December 2016

妊娠中の女性および地域メンバーのジカウイルスに関する認識、意見、行動 ― アメリカ領ヴァージン諸島、2016年11月~12月

2017年5月2日現在、セントトーマス島、セントジョン島、セントクロイ島から構成されるアメリカ領ヴァージン諸島(USVI)では、人口約10万人のうちジカウイルス疾患の高度疑いまたは確定例が1,021例報告されている。このうち、222例の症候性および無症候性の妊婦がジカウイルス試験で陽性であった。2016年1月に、USVIの保健部門(USVI DOH)は監視、媒介性物(ベクター)調整、コミュニケーションプログラムをはじめとするジカ対策に着手した。介入には、教育および支援活動、USVIの妊婦のためのジカ予防キット、無料のジカウイルス臨床検査およびベクター調整サービスの提供が含まれた。2016年11月に、USVI DOHスタッフメンバーは現在および提案されている介入についてのフィードバックを収集するために、地域メンバーおよび妊婦に対し病院などの場所でインタビュー調査を実施した。最終的なサンプル数は、妊婦104例、妊娠していない地域メンバー165例(男性45.7%、年齢中央値45歳、18~81歳)であった。「ジカについて何か聞いたことがありますか?」の質問に対し、妊婦は中央値2つ(範囲:1~5つ)の回答をし、主な回答は「ジカが赤ちゃんの小頭症または脳障害を引き起こす」(67.3%)と「蚊によって伝染する」(34.6%)であった。地域メンバーは中央値1つ(同:0~5つ)の回答し、主に「蚊によって伝染する」(48.5%)であった。「ジカウイルスが性感染する可能性がある」と回答したのは、妊婦で11.5%、地域メンバーで9.1%のみであり、「ジカウイルス感染がUSVIで発生している」と回答したのは妊婦で3.8%、地域メンバーで6.1%のみであった。「ジカウイルス感染から自身を守るためにとった行動」に対する回答は、妊婦では中央値2つ(同:0~6)で、最も多かったのが蚊忌避剤の使用(74.0%)と腕と脚が覆われる服装(26.9%)、地域住民では中央値1つ(同:0~9)で、最も多かったのが蚊忌避剤使用(42.4%)であった。97人の妊婦のうち69人(71.1%)がジカ予防キットを受け取っており、67.2%は忌避剤がキット中で最も重要なアイテムで、最も頻繁に消費したと回答した。ジカ検査に関する情報が利用可能であった95人の妊婦のうち、74人(77.9%)が検査を受け、 67.6%が2週間以内に検査結果を聞いたと回答した。22人(22.4%)は、パートナーも検査を受けた。 97人の妊婦のうち、48人(49.5%)がベクター調整サービスの利用可能性について聞いたと回答した。ベクター調整サービスを希望する25人の妊婦のうち20人(80%)がサービスを受けた。ベクター調整方法について質問された地域メンバーは、地域の蚊の個体数を減らすために、庭への蚊取り用品の設置(91.2%)、殺虫剤の噴霧(75%)、トラックおよび飛行機からの噴霧(各66.5%、23.9%)の支援を回答した。これらのインタビューからのフィードバックは教育、地域社会の関与を通じて対処できる情報のギャップを特定するのに役立ち、効果的な介入のために不可欠と考えられる。

References

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