ホームIMICライブラリMMWR抄訳2017年(Vol.66)最新情報:アメリカでの2016-17年期におけるイ・・・
2017/06/30Vol. 66 / No. 25
MMWR66(25):668-676
Update: Influenza Activity in the United States During the 2016–17 Season and Composition of the 2017–18 Influenza Vaccine
2016-17年期(2016年10月2日~2017年5月20日)のアメリカにおけるインフルエンザ活性と推奨される2017-18年期の北半球インフルエンザワクチン組成を報告する。この期間、アメリカ(50州、プエルトリコ、ワシントンDC)の臨床検査室では865,168検体が検査され、121,223検体(14.0%)がインフルエンザ陽性であった[A型:84,854検体(70.0%)、B型:36,369検体(30.0%)]。検体の陽性率は2月11日、18日、25日の週にてピークであった(それぞれ23.6%、24.2%、24.3%)。WHO共同研究室では84,303検体が検査され、うち40,728検体がインフルエンザ陽性であり(A型:31,736検体、B型:8,992検体)、A型31,411検体のサブタイプ分析では、A(H3N2)が30,519検体(97.2%)、A(H1N1)pdm09が892検体(2.8%)、B型は6,875検体のうち、B/Yamagata系が4,892検体(71.2%)、B/Victoria系が1,983検体(28.8%)であった。公衆衛生研究所にて検体が陽性であった患者のうち、36,426例にて年齢が明らかであり、0~4歳が2,912(8.0%)、5~24歳が11,066(30.4%)、25~64歳が10,872(29.8%)、65歳以上が11,576(31.8%)であった。新たなA型ウイルス感染は3例報告され、A(H1N1)変異型(H1N2v)ウイルス感染はアイオワ州にて2016年11月19日が週末の週(第46週)に報告され、鳥インフルエンザA(H7N2)変異型ウイルス感染は、ニューヨーク市の動物シェルターにて病気の猫との接触により感染したと報告された。また、A(H3N2)変異型(H3N2v)ウイルス感染はテキサス州にて2017年4月29日が週末の週(第17週)に報告されたが、3例とも入院せずに完治した。抗原性の分析ではA(H1N1)pdm09は296検体中294検体(99.3%)がA/California/7/2009に、A(H3N2)は772検体中730検体(94.9%)がA/HongKong/4801/2014に類似し、B型はB/Victoria系は327検体中283検体(86.5%)がB/Brisbane/60/2008に、B/Yamagata系は429検体すべてB/Phuket/3073/2013に類似していた(いずれも2016-17年期ワクチン成分)。感受性検査ではA(H1N1)pdm09(304検体)、A(H3N2)( 1,303検体)、B型(962検体)のすべてがオセルタミビル、ザナミビルおよびペラミビルに感受性を示した。2016-17年期インフルエンザワクチンの有効性は、A(H3N2)ウイルスに対し34%(95%CI=24~42%)、B型ウイルスに対し56%(同47~64%)であった。2017-18年期のインフルエンザワクチン成分として、FDAはA/Michigan/45/2015(H1N1)pdm09様ウイルス、A/HongKong/4801/2014(H3N2)様ウイルスおよびB/Brisbane/60/2008様ウイルスを推奨している(4価ワクチンの場合、B/Phuket/3073/2013様ウイルスを追加)。インフルエンザ様疾患(ILI)による外来受診者はILINetによると、2016年12月17日が週末の週(第50週)から17週間、全国基準値(2.2%)を上回り、ピークは2017年2月11日が週末の週(第6週)の5.1%であった。州別の活性分布は2017年2月11日が週末の週(第6週)にてもっとも広く、47州にて広範囲の活性が報告された。FluSurv-NETデータによるインフルエンザによる累積入院者は18,184例であり、10万人あたりの年齢別入院率は、0~4歳が44.1、5~17歳が16.7、18~49歳が19.8、50~64歳が65.1、65歳以上が290.5であった。肺炎およびILI関連死亡率は2016年12月31日が週末の週~2017年3月18日までの12週間(第52週~第11週)にて流行閾値を超え、ピークは2017年1月21日が週末の週(第3週)と2月25日が週末の週(第8週)の2回に認めた(それぞれ8.2%、8.1%)。また、小児の死亡は98例あり、内訳はA(H3N2)が46例、A(H1N1)pdm09が3例、A型(サブタイプ不明)が14例、B型が34例、不明が1例であった。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.