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MMWR抄訳

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2017/05/19Vol. 66 / No. 19

MMWR66(19):493-497
Using Molecular Characterization to Support Investigations of Aquatic Facility–Associated Outbreaks of Cryptosporidiosis — Alabama, Arizona, and Ohio, 2016

水施設におけるクリプトスポリジウム症のアウトブレイクに関する調査を裏付ける分子的特性の利用 ― アラバマ州、アリゾナ州、オハイオ州、2016年

クリプトスポリジウム症はクリプトスポリジウム属の寄生原生動物による消化器疾患であり、アメリカでは届出疾患に指定されている。症状は主に水様性下痢であり、免疫不全状態の患者では2~3週間持続し、致死的となる。感染したヒトや動物が接触し汚染したプールや飲料水、食物などから糞口経路により伝播する。アメリカにおける年間発症率は2004年以降、約3倍に増加しており、2016年には暫定データを報告した24州のうち13州(54%)にて少なくとも32のクリプトスポリジウム症のアウトブレイクが発生し、これまでNational Outbreak Reporting Systemを通じてCDCに報告されたアウトブレイク(2011年:20件、2012年:16件、2013年:13件、2014年:16件)に比べ多い。ここでは2016年にアラバマ州、アリゾナ州およびオハイオ州にて水施設に関連して発生したアウトブレイクについて報告する。アラバマ州では、2016年8月12日、35名が州の水施設を訪れた後に消化器症状を発症したとの報告があった。うち23名はアウトブレイク関連の症例であり、3例は研究室レベルで確診された。CryptoNetによる分子特性の分析では1検体がCryptosporidium hominis IfA12G1R5サブタイプと確認された。15例を対象とした調査では、7月31日に施設を訪れ、潜伏期間は8(5~17)日間であった。8月15日、調査員が施設から逆洗フィルターおよび水の検体を採取し、16日には超塩素処理が行われた。顕微鏡的検査およびRT-PCR法ではクリプトスポリジウムは検出されず、施設の査察では水の殺菌濃度、pHなどの基準値は遵守されていた。アウトブレイクの前の糞便による事故に関しては不明である。アリゾナ州では2016年8月2日、ココニノ郡リトルリーグのメンバーと家族が7月22日にマリコパ郡の水施設を訪れた6~7日後、51名中36名(71%)が消化器疾患を発症、Crypto Netの分子特性分析では4検体すべてがC. hominis IfA12G1R5サブタイプであった。調査の結果、7月1日~10月31日の間に州全体で352例が研究室レベルでクリプトスポリジウム症と確診された[2011~2015年の年間症例数は46(42~62)例]。317例のインタビューでは204例(64%)が公共の水施設(86カ所、うちマリコパ郡の施設は74カ所)にてプールに入っていた。オハイオ州では2012~2015年の年間症例数は399(324~571)例であったが、2016年は約5倍の1,940例、24件のアウトブレイクのうち10件(42%)がオハイオ州で発生していた。Crypto Netの分子特性分析では6検体すべてがC. hominis IdA19サブタイプであった。Crypto Netデータより、クリプトスポリジウム種およびサブタイプが同定され、エビデンスに基づく予防対策が可能となるが、水施設に関連するクリプトスポリジウム症の予防には下痢のときには泳がないことがもっとも有効である。

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