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MMWR抄訳

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2017/04/14Vol. 66 / No. 14

MMWR66(14): 387-389
Use of Video Directly Observed Therapy for Treatment of Latent Tuberculosis Infection — Johnson County, Kansas, 2015

潜在性結核感染症治療のためのビデオによる直接監視下治療の使用 ― カンザス州ジョンソン郡、2015年

Mycobacterium tuberculosis細菌が原因の結核(TB)は空気を介して人から人へ伝播する。TBは学校環境のような集団の状況では接触期間および換気の要因によりさまざまな程度に広まるため、潜在的な接触および曝露の評価が課題である。2015年2月27日にジョンソン群のDepartment of Health and Environment(JCDHE)は地域の医師からTB疾患が疑われる高校生の報告を受けた。この患者には3カ月にわたる咳、倦怠感、寝汗、体重減少、胸部X線撮影での異常があった。患者は直ちに自宅隔離され、標準的な4剤療法(イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、ピラジナミド)を開始した。患者検体の核酸増幅検査法によるTB感染確認は3月3日に実施し、3月30日に汎感受性が報告され、治療は2015年8月に完了した。学校での接触者385例(91%)、家庭での接触者4例(100%)、社会的接触者19例(90%)に対し、インターフェロンγ放出試験(IGRA)によるスクリーニング検査を実施した結果、潜在性TB感染50例を同定した。JCDHEの公衆衛生緊急事態の準備(Public Health Emergency Preparedness)に対応する職員は、試験を実施する診療所のレイアウトの最適化および命令系統の実践のための物流管理システムの実行にこれまでの経験を使用した。大規模な感染症の調査に付随する噂および不安を軽減するために、当初から調査について生徒、学校職員、市民、メディアとオープンなコミュニケーションを図った。IGRA陽性の50例には、3種類の治療選択肢として1)自己管理による9カ月間の毎日のイソニアジド服用、1カ月に1回の保健部門の訪問、2)自己管理による4カ月間の毎日のリファンピンの服用、2週間に1回~月1回の保健部門の訪問、3)直接監視下治療(DOT)下の12週のイソニアジドおよびリファペンチン投与が提示され、それぞれ16例、7例、27例が治療を選択した。JCDHEの2名のTB看護師では潜在性TB感染の治療が必要な大勢の人へ対応ができなかったため、伝統的なDOTに加え、ビデオによる直接監視下治療(VDOT)を使用した。VDOTを使用したのは15例で、1例は薬剤の副作用のため離脱したが、14例は治療を完遂した。その他の治療群でも、原因不明の1例を除き治療を完遂した。VDOTは治療のコンプライアンスおよび完遂を促進し、TBスタッフおよび患者にとって費用および時間の節約となる実行可能な選択肢である。

References

  • CDC. Core curriculum on tuberculosis: what the clinician should know. 6th ed. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2013. <https://www.cdc.gov/tb/education/corecurr/pdf/corecurr_all.pdf>

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