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MMWR抄訳

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2017/04/14Vol. 66 / No. 14

MMWR66(14):382-386
Characteristics of Fentanyl Overdose — Massachusetts, 2014–2016

フェンタニル過剰摂取の特徴 ― マサチューセッツ州、2014~2016年

マサチューセッツ州では、オピオイドの過剰摂取による死亡が2012年から2015年にかけて150%増加した。この死亡の割合には、モルヒネの50~100倍短時間に作用するように合成されたフェンタニルが関与しており、2013~2014年は32%であったのが、2016年の前半では74%に増加した。2015年4月に、Drug Enforcement AgencyとCDCはマサチューセッツ州の法的なフェンタニル押収物の増加を報告しており、その多くが違法に製造されたフェンタニル(IMF)とみられている。過剰摂取の予防および対応活動の指針のために、2016年4月にマサチューセッツ州の公衆衛生部門および検視局はCDCと協力し、オピオイドの過剰摂取による死亡率が高い3つの郡におけるフェンタニル過剰摂取の特徴を調査した。これらの郡において、2014年10月1日から2015年3月31日までにオピオイドの過剰摂取による死亡者の検視記録を精査し、違法オピオイドを使用し、過剰摂取を目撃または経験した人のインタビューを実施した。196例のオピオイドの過剰摂取による死亡者のうち、73%は男性で、50%は年齢15~34歳、91%は非ヒスパニック系白人であった。すべてのオピオイドの過剰摂取による死亡者の64%では、検視時の毒性検査でフェンタニルが陽性で、2014年10月の44%から2015年3月の76%へ増加した。フェンタニルによる死亡の82%ではIMFの関与が疑われ、4%が処方箋、14%が入手元は不明であった。フェンタニルによる死亡の36%では、薬剤使用後数秒から数分以内に過剰摂取症状が発現したエビデンスがあり、フェンタニル過剰摂取による死亡者の90%では救急外来到着時に脈拍がなかった。また、フェンタニル過剰摂取による死亡の91%はホテル、モーテル、民家で発生した。解毒剤のナロキソンの迅速な投与によりフェンタニル過剰摂取は回復が可能であるが、フェンタニル過剰摂取による死亡の6%のみで、マサチューセッツ州の薬局および危害減少プログラムから利用できるナロキソンの第三者による投与のエビデンスがあった。非専門家ではナロキソンの使用が限定されるのに加え、すぐ近くにいる人のフェンタニル過剰摂取に対する迅速な対応は、対応者の不在(18%)、死亡者との空間的距離(家の別の部屋にいたなど、58%)、死亡者が薬剤を使用している認識の欠如(24%)、対応者の中毒(12%)、過剰摂取の症状の認識の失敗(11%)、対応者の死亡者は眠っているという思い込み(15%)のため、不成功であった。フェンタニル特異的なメッセージおよび実務を取り入れるための現存のオピオイドの過剰摂取の教育および予防プログラムの拡大と強化は、特にIMFの影響のある地域において、公共の保健機関が過剰投与に関連する悪影響を軽減するのに役立つと思われる。

References

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