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MMWR抄訳

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2017/02/24Vol. 66 / No. 7

MMWR66(7):190-193
Continued Endemic Wild Poliovirus Transmission in Security-Compromised Areas — Nigeria, 2016

安全保障地域において継続している野生型ポリオウイルスの伝播 ― ナイジェリア、2016年

ナイジェリアにおいて最後に報告された野生型ポリオウイルス(WPV)感染例からほぼ2年後の2016年8月10日、北東部のボルノ州においてWPV感染例2例が報告され、さらに9月9日、26日に州の安全保障地域から移住してきた家族の子供2名での感染が報告された。最初のWPV例はGwoza地方行政地域(LGA)の23カ月齢とJere LGAの24カ月齢の小児の2例であり、麻痺の発症日はそれぞれ7月4日、13日であった。3、4例目はMonguno LGAの23カ月齢と21カ月齢の小児であり、発症日はそれぞれ8月6日、21日であった。これら4例はすべてWPV血清型1であり、遺伝子的にもっとも類似する既知のウイルスは2013年にボルノ州で最後に同定されたウイルスであったことから、長期間検出されなかった伝播の存在が示唆された。これを受けて大規模な緊急対応計画が展開され、8月15~18日に最初の2例の発症地に近い5つのLGAにて815,791名の小児に予防接種が行われた (2価経口ポリオウイルスワクチン:bOPV) 。続いて8月27日~12月6日、チャド湖流域5カ国(カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、ニジェール、ナイジェリア)にて追加予防接種活動が拡大され、約3,000万人にbOPVが接種され、ボルノ州では不活化ポリオワクチンが追加接種された。さらに急性弛緩性麻痺(AFP)の見逃し例をレトロスペクティブに探索し、ポリオウイルスの環境的サーベイランスおよび監視システムの強化が行われた。これらの追加調査によりMonguno LGAにて循環型ワクチン由来2型ポリオウイルス(cVDPV2)感染例(6歳小児)が確認され、2016年12月~2017年1月、Monguno LGAにて一価経口ポリオウイルスワクチン2型によるアウトブレイクへの対応が行われた。ボルノ州では2016年のサーベイランスの強化により、AFP症例は614例報告され(2015年の354例から73%増加)、cVDPVが検出された。また、以前はアクセスできなかった地域へのアクセスも改善された。環境サーベイランスはサンプリングサイトが4カ所から6カ所に増え、検体収集の頻度も月1回から週1回に増加した。2016年4月以降、WPVおよびcVDPV陽性分離株は報告されていない。ナイジェリアやチャド湖流域国では難民や国内避難民のコミュニティー間での人口移動が行われ、紛争から離れた地域でのWPV感染の可能性が増加している。また、紛争によりサーベイランス活動が制限されており、少区域レベルでのサーベイランス実施を焦点とした監視、評価およびレビューが緊急に必要であると考える。

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