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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2017年(Vol.66)ヒト狂犬病 ― プエルトリコ、2015年

MMWR抄訳

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2017/01/06Vol. 65 / No. 52

MMWR65(52):1474-1476
Human Rabies — Puerto Rico, 2015

ヒト狂犬病 ― プエルトリコ、2015年

2015年12月1日に、プエルトリコの保健局(PRDH)はヒト狂犬病の可能性のある症例の報告を受けた。患者はプエルトリコ南東部に居住する54歳男性で、11月30日の夜に発熱、嚥下困難、手の知覚障害、咳、胸の圧迫感のため地域の救急科を受診した。患者は先行する5日間にわたり食物および飲み物を拒絶していた。動物への曝露歴は得られず、予備的な下気道感染の診断のもとに抗生物質と制吐剤が開始された。胸部X線検査および頭部CT検査結果は正常であった。翌朝、患者は医学的助言に背いて退院してしまったが、午後に症状悪化のため再来院した。また、付添いの妻から、患者が10月第1週にマングースに咬まれたが、治療しなかったことが報告された。狂犬病の臨床的疑いがPRDHへ通告されたが、患者はその後すぐに心停止に陥り死亡した。剖検は12月2日に実施し、12月3日に直接蛍光抗体法により狂犬病感染が確認された。CDCへ送付した検体の検査では、直接蛍光抗体法、RT-PCR法、抗原タイピング、シーケンス分析から、カリブ海マングース狂犬病ウイルス変種と一致した。症例の報告を受けたPRDHはCDCのポックス・ウイルスおよび狂犬病部門と協力して初期の緊急リスク調査を実施し、患者と緊密に接触した可能性のある家族5名に狂犬病の曝露後予防薬(PEP)の投与を開始した。Advisory Committee on Immunization Practicesのガイドラインでは、感染期間中(症状発生前の2週間)に開放創または粘膜に患者の唾液、涙液、脳脊髄液が接触した人に対して、PEPが推奨されている。さらに調査を進めた結果、PEPが必要な地域住人/家族(32名)および医療関係者(39名)が確認され、接触を調査した結果、新たに家族2名および病院スタッフ2名がPEPを投与された。PRDHは、マングースに咬まれた経験のある人は病院を受診し、PEPを受けることを推奨している。医療提供者は狂犬病が疑われる症例または急性、進行性、脳炎の患者の診察および治療時では、動物への曝露歴を聴取するとともに、推奨されている感染対策の実施に留意する必要がある。

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