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MMWR抄訳

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2016/12/30Vol. 65 / Nos. 50 & 51

MMWR65(50 & 51):1445-1452
Increases in Drug and Opioid-Involved Overdose Deaths — United States, 2010–2015

薬物およびオピオイドの過剰摂取による死亡の増加 ― アメリカ、2010~2015年

アメリカにおけるオピオイド蔓延は継続しており、1999年から2014年の間に薬物の過剰摂取による死亡者は3倍近く増加している。2014年には国内で47,055例が過剰摂取により死亡、うち28,647例(60.9%)はオピオイドによる死亡であった。今回、CDCは2010~2015年における薬物過剰摂取による死亡率、および2014~2015年におけるオピオイド過剰摂取による死亡率(天然/半合成オピオイド、メサドン、ヘロイン、メサドン以外の合成オピオイド)について、National Vital Statistics Systemのmultiple cause-of-death mortality fileを用いて分析した。薬物の過剰摂取による死亡率は人口10万人あたり12.3(2010年)から16.3(2015年)に有意に増加し、州別では30州とワシントンDCでは増加、19州が不変であり、フロリダ州では2010~2013年には減少し、その後増加、サウスカロライナ州では2010~2012年には減少、その後増加していた。2015年の薬物の過剰摂取による死亡は52,404例(2014年:47,055例)、うちオピオイドによる死亡例は33,091例(63.1%、2014年:28,647例)と前年から増加しており、年齢で補正したオピオイドによる死亡率は10万人あたり2014年9.0から2015年10.4と15.6%の増加、薬物別では天然/半合成オピオイド:2.6%増加、ヘロイン:20.6%増加、メサドン以外の合成オピオイド:72.2%増加、メサドンは9.1%減少であった。2014年~2015年における天然/半合成オピオイドによる死亡は男性全体、25~44歳では男女ともに、非ヒスパニック系白人にて有意に増加し、メサドンによる死亡率は男女ともに有意に低下したが、65歳以上では増加し、ヘロインとメサドン以外の合成オピオイドによる死亡率は男性、女性ともに、15歳以上にて、すべての人種/民族にて増加したのに対し、男性のヘロインによる死亡率は15~24歳の男性のみ不変であった。また、州別分析基準を満たす28州では、メサドン以外の合成オピオイドによる死亡率は16州(57.1%)、ヘロインによる死亡率は11州(39.3%)にて増加し、2015年、合成オピオイドの過剰摂取による死亡率はマサチューセッツ州(14.4%)、ニューハンプシャー州(13.2%)、オハイオ州(11.4%)、ロードアイランド州(13.2%)、ウエストバージニア州(12.7%)にて高く、前年からの増加率はニューヨーク州(135.7%)、コネチカット州(125.9%)、イリノイ州(120%)にて高かった。ヘロインの過剰摂取による死亡率はコネチカット州(11.3%)、マサチューセッツ州(9.6%)、オハイオ州(13.3%)、ウエストバージニア州(11.8%)にて高く、前年からの増加率はサウスカロライナ州(57.1%)、ノースカロライナ州(46.4%)、テネシー州(43.5%)にて高かった。半合成オピオイドによる死亡はニューメキシコ州、オクラホマ州、バージニア州にて減少、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、オハイオ州、テネシー州にて増加していた。これらのデータより、慢性疼痛に対するオピオイド処方薬の使用に関するモニタリング、ナロキソンの流通拡大やオピオイド使用障害に対する治療の強化、違法薬物の法規制などの対策の必要性が示唆される。

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