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MMWR抄訳

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2016/11/04Vol. 65 / No. 43

MMWR65(43):1185-1188
Ocular Syphilis — Eight Jurisdictions, United States, 2014–2015

眼梅毒 ― アメリカ8管轄区域、2014~2015年

眼梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染により引き起こされる眼の充血、かすみ目、視力低下などの眼症状をいう。アメリカにおいて梅毒の報告数は2000年以降増加しており、2015年初め、ワシントン州およびカリフォルニア州において眼梅毒の小集団発生があったことから、同年4月、CDCは医療従事者に対し眼梅毒を疑う症例の増加に留意するよう勧告を発出した。この勧告を受け、カリフォルニア州(ロサンゼルス市およびサンフランシスコ市を除く)、フロリダ州、インディアナ州、メリーランド州、ニューヨーク市、ノースカロライナ州、テキサス州およびワシントン州の計8管轄区域は、20142015年の梅毒サーベイラインスおよび報告症例のデータについて眼症状の有無を精査した。その結果、2014年に157例、2015年に231例の計388例の眼梅毒疑い例が確認された。総計で梅毒症例の0.60(2014年:0.53%、2015年:0.65)が眼梅毒疑い例とされ、その割合は0.17%~3.9%と管轄区域により異なった。5管轄区域では、2014年から2015年にかけて眼梅毒疑い症例数の増加が報告された。患者の多くは男性(93)であり、そのうち69%は男性間性交渉者、51%はHIV陽性患者であった。眼梅毒疑い例患者のうち326(84)は、特徴的な症状であるかすみ目(54)や視力低下(28)を報告していた。158(41)は特徴的な眼症状の診断を受けており、ぶどう膜炎(72)が最も多く、より重篤な症状として網膜炎(20)、視神経炎(18)、網膜剥離(6)も報告された。HIV陽性および陰性患者において、眼症状の重篤度に有意な差は認められなかった。神経梅毒および眼梅毒に対する推奨治療法はペニシリンGの静脈内注射であるが、眼梅毒疑い例患者の約60%がペニシリンGの静脈内注射、38%はベンザチンペニシリンの筋肉内注射を主とする他の治療法を受けていた。医療従事者は梅毒に関連する眼疾患の可能性について留意する必要がある。眼梅毒の迅速な診断と治療は、眼症状の予防や後遺症の軽減に重要である。

References

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