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MMWR抄訳

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2016/09/09Vol. 65 / No. 35

MMWR65(35):930-933
Raccoon Roundworm Infection Associated with Central Nervous System Disease and Ocular Disease — Six States, 2013–2015

中枢神経系疾患および眼疾患を伴うアライグマ回虫感染症 ― 6州、2013~2015年

主にアライグマに認められるBaylisascaris procyonisは、北アメリカ全体に渡り広く存在する回虫である。寄生生物として感染した場合、回虫は通常、無症状であるが、B. procyonisの幼生型は迅速に治療されない時には致死的なヒト疾患または重症の神経学的転帰の原因となりうる。アライグマ回虫症はアメリカにおいて報告義務のある疾患ではなく、ヒトにおける頻度または臨床疾患の範囲はあまり知られていない。この14年間のB. procyonisの地理的分布の拡大およびヒトへの曝露の増加の可能性にもかかわらず、実際より報告数が少ない可能性があり、アメリカでは19732010年の間に確認された症例は22例のみが報告されている。アライグマ回虫症のための市販の利用可能な血清学的試験はないため、診断にはアライグマへの曝露の既往および臨床上の疑いの高インデックスが必要とされる。CDCでのリコンビナント抗原(rBpRAG1)を使用した免疫ブロットアッセイは、脳脊髄液および血清中のB. procyonis抗体の検出により診断を支援することができる。2013年の5月~201512月の間に、免疫ブロットにより診断された7例のヒトのアライグマ回虫症が6[オクラホマ州(16カ月後にアーカンソー州において感染の再燃が確認)、オハイオ州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州(2)、バージニア州、ミネソタ州]で確認され、それぞれ31歳女性、生後15カ月の男児、32歳女性、63歳男性、3歳男児、生後10カ月女児、7歳男児で、臨床所見は好酸性髄膜炎(6)および眼幼虫移行症(1例:7歳男児のみ)であった。疑われた曝露源は、ペットとしてのアライグマ、狩猟後のアライグマ、アライグマ生息地域での居住/ハイキング/ウォーキングなどであった。全例で、トキソカラ症は陰性であった。患者は全例が生存したが、約半数で重度の神経学的欠損が残った。アライグマ回虫症の抑制のために、子供の遊び場の緊密なモニタリング、頻繁な手洗い、アライグマが糞をする場所(公共の共有地)の除去を介した予防が重要である。

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