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MMWR抄訳

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2016/08/12Vol. 65 / No. 31

MMWR65(31):807-811
Outbreak of Plague in a High Malaria Endemic Region — Nyimba District, Zambia, March–May 2015

マラリアの高度流行地域におけるペストのアウトブレイク ― ニンバ地区、ザンビア、2015年3~5月

ザンビアでは1917年以降、ペストのアウトブレイクが散発的に発生している。2015年4月10日、ザンビア保健省は東部州保健局からニンバ地区における腺ペスト疑い例の発生について報告を受けた。3月28日~4月9日に急な発熱と頸部リンパ節腫脹の患者11例が地域医療センターを受診、そのうち3例が死亡した。同省およびザンビア大学、州および地区保健所が疫学調査を実施し、3月26日~5月5日の間に発熱または最近の発熱歴およびリンパ節の腫脹を呈した患者計111例のペストの可能性について診断した。82例(75%)は医療センターに入院、抗生物質の静脈内投与と1晩以上の経過観察を受け、29例は外来にて経口抗生物質を処方された。死亡例3例を含む同じ村の住人21例(26%)は、臨床的にペストの兆候/症状と合致し、疑い例とされた。症状の発現は3月26日が最も早く、4月6~7日がピークであった。患者の年齢中央値は8歳、95%が15歳未満であった。発熱後の症状は、頸部リンパ節の腫脹(90%)、咳(38%)、頭痛(33%)などであった。検査では、疑い例21例から採取した血液11検体中5検体およびリンパ節吸引3検体のうち2検体がPCR法にてYersinia pestis遺伝子陽性となった。細菌培養は陰性または検査不能であった。21例のうち、死亡例3例およびPCR陽性6例を含む12例(57%)は、迅速診断法にてマラリア陽性を示した。ニンバ地区におけるマラリア原虫寄生率は21.2%と高く、発熱患者には通常、マラリアの検査を行っている。今回の事例から、マラリアの高度流行地域では、患者がペストなど他の感染症に罹患した場合でもマラリアと診断され、適切な診断、治療の遅れが致死リスクを高める要因となることが示唆された。迅速な診断、治療のためには、臨床医療者に対しペストについて教育するとともに、小児の重症マラリア患者には、他の細菌感染が否定されるまで広域スペクトラムを有する抗生剤治療が推奨される。

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