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MMWR抄訳

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2015/12/18Vol. 64 / No. 49

MMWR64(49):1359-1362
Rabies in a Dog Imported from Egypt with a Falsified Rabies Vaccination Certificate — Virginia, 2015

狂犬病ワクチン接種証明書が偽造であったエジプトから輸入されたイヌの狂犬病 ― バージニア州、2015年

2015年6月8日、アメリカの動物救済組織によりアメリカへ輸送された1匹の雌成犬(イヌA)がVirginia Department of General Services Division of Consolidated Laboratory Services (DCLS)により狂犬病と確認された。イヌAはエジプト、カイロの路上にて保護された野良犬で、5月30日にカイロからニューヨーク市のJohn F. Kennedy国際空港に到着した8匹の犬と27匹の猫のうちの1匹であり、31日、この犬を含む4匹の犬がバージニア州に運ばれ、救済グループに関連する里親の家庭に引き取られた。その4日後の6月3日、イヌAは唾液分泌過多、麻痺、知覚過敏を来し、狂犬病が疑われたため、5日に獣医師が安楽死させた。脳の組織をDCLSにて検査した結果、8日に狂犬病と確認され、さらにCDCにてエジプトにて循環するイヌ狂犬病ウイルス変異株と一致することが確認された。イヌAの狂犬病潜伏期間は5月24日~6月5日であり、この期間にイヌAと接触した30名について調査が行われ、18名に対し曝露後予防が行われた。エジプトから輸送された8匹の犬のうちイヌAと6カ月齢のイヌ2匹(イヌFおよびG)のみが生後3カ月以降およびアメリカ入国の30日以上前に狂犬病ワクチンを接種済とエジプトで発行された接種証明書には記されていたが、イヌAの狂犬病の診断を受けて確認したところ、接種証明書が故意に日付が早められていたことが判明した。一緒に輸送された犬については、イヌAの子犬(イヌB、10週齢)が同じクレートに入れられていたが、他の犬のクレートは個別であり、潜伏期間にイヌAと接触したのはこの子犬だけと判断された。子犬にワクチンを接種し、90日間隔離、さらに隔離終了の1カ月前に追加接種を行った。他の犬もワクチンの追加接種を行い、また、イヌAを保護した家庭で飼われている犬(8匹)、犬以外の動物(9匹)も曝露の可能性があるためワクチンの追加接種が行われた。今回の件では、狂犬病の根絶には世界的なプログラムが必要であり、国境を越えて動物を運ぶ場合は、狂犬病の感染を適切に防御し、スクリーニングを行うべきと考えられる。

References

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