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MMWR抄訳

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2015/11/13Vol. 64 / No. 44

MMWR64(44):1241-1245
Increase in Incidence of Congenital Syphilis — United States, 2012–2014

先天梅毒の罹患率の上昇 ― アメリカ、2012~2014年

先天梅毒(CS)は、妊娠中の母親が感染した梅毒が胎児へ伝播して発生し、重篤な疾患、流死産および早期新生児死亡の原因となる。アメリカにおけるCS罹患率は1991~2005年にかけて低下したが、2005~2008年にはわずかに上昇したことが報告されている。CDCは、National Notifiable Diseases Surveillance Systemのデータから2008~2014年の50州およびワシントンDCにおけるCSの発生状況について分析した。2008~2012年の全米におけるCS症例数は446例から334例に減少し、罹患率は生産児10万人あたり10.5例から8.4例に低下した。この間、地域別では北東部で51%、西部で46%、南部で16%低下した一方、中西部(特にイリノイ州およびオハイオ州)では4.2例から6.8例へ62%上昇した。人種/民族別に罹患率に差が見られ、2012年におけるCS症例の57%は黒人の母親から誕生した。2012~2014年の全米におけるCS症例数は334例から458例に増加し、罹患率は生産児10万人あたり8.4例から11.6例に上昇した。罹患率は全地域で上昇し、西部(5.5例から12.8例)における上昇率が最も高かった。州別ではカリフォルニア州(6.9例から20.0例)、フロリダ州(17.4例から21.8例)、ルイジニア州(52.7例から72.8例)を含む19州で上昇した。CS罹患率の上昇は、同時期の女性における梅毒罹患率(10万人あたり0.9例から1.1例、22%の上昇)と相関していた。2014年、CS児の母親458例のうち100例(21.8%)は妊婦健診を受けていなかった。314例は妊婦健診を1回以上受診していたが、そのうち135例(43.0%)は梅毒治療を受けておらず、94例(30.0%)は誤った治療を受けていた。135例のうち21例は妊娠中に梅毒検査を受けておらず、52例は妊娠初期に検査で陰性となった後に感染した。62例は陽性となったが、治療を受けていなかった。出生の30日以上前に母体のペニシリンG治療を開始すれば、CSの予防が可能である。妊娠可能年齢の女性および女性と性交する男性の梅毒罹患率の上昇に適切に対応し、妊婦検診時の梅毒スクリーニングと治療を行うことが重要である。

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