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MMWR抄訳

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2015/10/16Vol. 64 / No. 40

MMWR64(40):1142-1144
Use of Surveillance Systems in Detection of a Ciguatera Fish Poisoning Outbreak — Orange County, Florida, 2014

シガテラ魚中毒アウトブレイクの検出における監視システムの使用 ― フロリダ州オレンジ郡、2014年

シガテラ魚中毒(CFP)は、渦鞭毛藻類に由来するシガトキシンを食物連鎖を介して自然発生的に蓄積しているサンゴ礁に棲む魚類を捕食することにより起こる食中毒である。CFPは、精神神経学的、神経学的、心血管、消化管の兆候および症状を生成させ、最も頻繁に報告される魚に関連した海洋中毒の一つである。シガトキシンは、冷凍または調理しても毒性を保っている。CFPに関連する神経学的症状は、迅速な治療により減少することができる。2014年11月3日に、オレンジ郡のフロリダ州保健局(DOH-Orange)は、DOHオンライン食中毒苦情システムを通じてCFPが示唆される1例の報告(患者A)を受けた。患者Aはフロリダ州に居住していない成人女性で、10月30日の午後3時にレストランAでマヒマヒを、同日の午後7時45分にレストランBで黒ハタの切り身を摂食し、レストランB で黒ハタを摂食の約7時間後に急性の知覚障害、四肢の無感覚をはじめとする症状が出現した。報告を受けたDOH-Orangeが患者Aをインタビューし、疾患がCFP症例の定義と合致すると判断した。フロリダ州ではCFPの単独症例はアウトブレイクと見なされる。DOH-Orangeは他のCFP症例を確認するために、Electronic Surveillance System for the Early Notification of Community-Based Epidemics–Florida (ESSENCE-FL)を介して、救急外来の主訴、中毒事故管理センター報告、報告義務のある疾患のデータを含む監視システムに問い合わせを行った。その結果、オレンジ郡の救急科を家族4人(患者B、C、D、E)が食中毒の症状のため受診したことが判明した。11月7日のDOH-Orangeの調査では、受診しなかった1人(患者F)を含む家族5人で11月3日に食料品店Aから購入した黒ハタの頭を摂食していた。6例(このうち男性4例)の年齢は36~64歳(中央値48歳)で、全例で奇妙な温度感覚、吐き気、知覚障害、無感覚、腹痛、下痢、関節痛、筋肉痛を経験した。アウトブレイクの食品源を調査するために、DOH-Orang、DOH Bureau of Epidemiology、Florida Department of Business and Professional Regulation、Florida Department of Agriculture and Consumer Services、FDAは共同で、レストランA、B、食料品店A、卸業者、魚仕入れ先Aの調査を実施した。患者が共通で摂食した黒ハタは、仕入れ先Aが2件の卸売業者を通じてレストランBおよび食料品店Aに納入し、メキシコ原産である可能性があったが、中毒に関連した魚の切り身と頭が同じ個体かは特定できなかった。疾患の原因となった食事の魚の食べ残しはなく、検査室での分析はできなかった。患者B~Fが摂食した魚と同じロットの魚の頭をFDAが分析した結果、シガトキシンは検出されなかった。公衆衛生のツールとして、CFPを迅速に検出できる監視システムは、医療支援をおよび原因となった食品の追跡を容易にするために必須である。

References

  • CDC. Marine toxins. Available at <http://www.cdc.gov/nczved/divisions/dfbmd/diseases/marine_toxins>.
  • Schlundt J. Seafood poisoning. In: Control of communicable diseases manual. Heymann DL, ed. Washington, DC: American Public Health Association; 2015:223–4.
  • Palafox NA, Jain LG, Pinano AZ, Gulick TM, Williams RK, Schatz IJ. Successful treatment of ciguatera fish poisoning with intravenous mannitol. JAMA 1988;259:2740–2.
  • Pennotti R, Scallan E, Backer L, Thomas J, Angulo FJ. Ciguatera and scombroid fish poisoning in the United States. Foodborne Pathog Dis 2013;10:1059–66.

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