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MMWR抄訳

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2015/08/14Vol. 64 / No. 31

MMWR64(31):852-855
Suspected Palytoxin Inhalation Exposures Associated with Zoanthid Corals in Aquarium Shops and Homes — Alaska, 2012–2014

アクアリウム店および家庭におけるスナギンチャクによるパリトキシン吸入曝露の疑い ― アラスカ州、2012~2014年

2014年8月12日、アラスカ州のアンカレッジ病院から州のSection of Epidemiology (SOE)にパリトキシン曝露の疑われるアンカレッジ在住の男性(患者A)が救急外来を受診したとの報告があった。8月11日の夜10時半、患者Aの身内により、32kgのスナギンチャクがプラスチック製の容器にて患者Aの自宅(149㎡のモービルホーム)の水槽(758L)に運ばれた。その際、スナギンチャクの断片が床に落ち、ポリプが裂けた。患者Aと同居していた患者BおよびCは水槽から約6メートル離れた隣の部屋で寝ていた。夜11時半に患者Aは自宅に戻り、水槽のある部屋でおよそ7時間就寝、翌12日、朝7時頃、患者A、B、Cともに神経系、呼吸器系、筋骨格系および他の様々な症状を呈し、目を覚ました。患者Aは咳、悪心、頭痛、筋肉および関節の痛みなどの症状が重かったため、救急外来を受診、頻脈、過換気および発熱(39.4℃)も認めた。患者BおよびCの症状は徐々に改善し、夜7時までには回復、患者Aは入院したが2日後には回復した。患者Aは自宅で犬と猫を飼っていたが、12日朝に犬が嘔吐し、その後、犬と猫ともに嗜眠状態となった。アクアリウム店の店長はこれらの症状を経験していたため、患者Aに注意事項を伝えていた。SOEは彼らに保護具を着用の上、水槽の周囲を薄めた家庭用漂白剤で清掃するよう助言した。また、患者Aの自宅から採取したスナギンチャク2検体のうち1検体より7.3mg/g wet weight、アクアリウム店から採取した3検体のうち1検体より6.2mg/g wet weightのパリトキシンが検出された。アクアリウム店の店長および従業員4名全員がスナギンチャク曝露後2時間以内に苦い金属味、または塩味を感じ、その後に咳、関節痛、側腹痛、発熱、冷感などのいずれかの症状を経験していた。他にも2名が2012年にスナギンチャク中毒が疑われる症状を呈し、1名はそのとき妊娠していたが、6カ月後に健常児を無事に出産、1名は曝露後2年間、肺症状が続いている。パリトキシンはスナギンチャクに含まれる猛毒物質であるが、多くのアクアリウム店やアクアリウムを趣味とする人々はパリトキシン曝露の危険性を知らないため、パリトキシンの健康リスクに関する認識を広め、強い毒性への曝露を避けることが必要である。

References

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