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MMWR抄訳

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2015/05/01Vol. 64 / No. 16

MMWR64(16):429-434
Outbreak of Human Pneumonic Plague with Dog-to-Human and Possible Human-to-Human Transmission — Colorado, June–July 2014

イヌ-ヒトおよびヒト-ヒト伝播が疑われるヒト肺ペストのアウトブレイク ― コロラド州、2014年6月~7月

2014年7月8日、コロラド州環境保健衛生局(CDPHE)の研究室にて、入院中の肺炎患者(患者A)の血液検体からペスト菌Yersinia pestisが分離された。患者Aは生来健康の28歳男性で、6月28日に発熱および発咳を来し、血痰を伴った症状の悪化から地域病院を受診し、肺炎と診断された。病院では6月30日に採取した血液検体の培養検査にてグラム陰性桿菌が検出され、本菌は自動検査システムでPseudomonas luteolaと同定された。その後6日間で呼吸状態が悪化したため、病状とP. luteolaとY. pestisの誤同定に関する既報に鑑み、検体をCDPHEに送付した。本菌はCDPHEにおいてY. pestisと確定されたため、患者Aは肺ペストと診断され、レボフロキサシンおよびストレプトマイシンを含む広域抗生物質の投与により入院23日間で回復した。Tri-County Health Departmentによる患者家族の聴取と曝露可能性の評価の結果、患者Aが飼養していた2歳のアメリカン・ピット・ブルテリアが6月24日に発熱、顎の硬直、流涎、運動失調を来し、動物病院に入院の翌日、呼吸困難と血痰から安楽殺されていたことが判明した。患者Aの診断後、この犬の肺および肝臓組織からY. pestisが培養およびPCR検査にて検出された。さらに、当該犬および患者Aと直接的な接触のあった3名が判明した。患者BおよびCは動物病院のスタッフで、6月24~25日に当該犬と接触があった。患者Dは6月25日に当該犬の死体の取扱い時に血液一滴に接触した。また、6月29~30日に患者Aが咳および血痰を呈している時に直接的な接触があった。いずれも呼吸器症状を呈したが抗生物質の投与で回復し、ペア血清で抗Y. pestis抗体の上昇を認めた。患者4例および当該犬との接触者計113名(動物病院関連36名、医療関連58名、個人的な接触20名)の調査から、88名に抗生剤の予防的投与、26名に7日間の体温の監視が勧告された。7月9日に実施された環境調査では、患者Aの所有地で野生のウサギが目撃された。その後、新たな症例の報告はない。ペスト発生のある地域では、家畜や伴侶動物における感染の考慮、稀な菌の同定に関する自動検査システムの限界、抗生物質の服用による非典型的な症状について注意が必要である。

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