ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)州の保健局における疫学的能力の評価 ― アメリカ、・・・
2015/04/17Vol. 64 / No. 14
MMWR64(14):394-398
Assessment of Epidemiology Capacity in State Health Departments — United States, 2013
2001年からCouncil of State and Territorial Epidemiologists(CSTE)は、定期的に州の保健局の中核となる疫学的能力の評価(ECA)を実施している。2013年8月~9月に、CSTEは50州およびコロンビア特別区の州の疫学者にwebを介してアンケートを送付し、公衆衛生調査を支援するための要員の能力および技術進歩を調査した。疫学者は、疫学関連の基本的な公衆衛生サービス(10分野)のうち最も重要な4分野および疫学および調査プログラム(10分野)について州の保健局が適切なサービスを提供できるかを、全能力(100%)、ほぼ全能力(75~99%)、かなりの能力(50~74%)、部分的な能力(25~49%)、最低限の能力(25%未満)、能力なし(0%)のカテゴリーで評価した。2013年では、51の管轄区全体で2,752名(人口10万あたりの比率:0.87)の疫学者が働いており、2009年(2,193名)と比べ25%増加した。4つの基本的な公衆衛生サービスの能力が「かなり~全能力(50%超)」であった州の保健局の割合は、健康状態の監視および地域社会の健康上の問題の解決では42地域(82%)、地域社会の健康上の問題および危険の診断および調査では46地域(90%)、個人および人口に基づく公共医療サービスの有効性、利用しやすさ、質の評価(EPHS)では18地域(35%)、健康上の問題な新たな知見および革新的な解決法のための研究では15地域(29%)で、EPHSを除き、これまでの調査で最高であった。2004~2009年の調査と比較し、2013年では物質乱用を除いたすべてのプログラム分野で「かなり~全能力(50%超)」であった州の保健局の割合は増加し、感染症(98%)、バイオ・テロリズムおよび緊急対応(82%)、母子保健(73%)、 慢性疾患(66%)、 環境衛生(49%)、障害(45%)、労働衛生(20%)、口腔衛生(25%)であった。一方、疫学的能力が「なし~最低限(25%未満)と報告された主な4分野は、労働衛生(55%)、口腔衛生(59%)、物質乱用(73%)、精神保健(80%)であった。すべての分野のプログラムの理想的な疫学および監視能力の達成には1,374名の疫学者の増員が必要とされた。2009年のECAと比べ、2013年では修士以上の学位を持つ要員の割合がわずかに増加し(59% vs 56%)、現在の要員の18%は5年以内に離職すると予測された。連邦、州、地域の保健局は、疫学的能力の適切なレベルの合意およびそれらの達成のための戦略の形成により、疫学的能力のギャップのある分野への対応に協力して取り組むべきである。
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