ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)僻村におけるエボラ伝播抑制のための迅速介入 ― バ・・・
2015/02/27Vol. 64 / No. 7
MMWR64(7):175-178
Rapid Intervention to Reduce Ebola Transmission in a Remote Village — Gbarpolu County, Liberia, 2014
リベリアのバルポル郡では2014年9月14日の時点ではエボラウイルス病(Ebola)の発症はなかったが、10月25日、Liberian Ministry of Health and Social Welfare (MOHSW)の地方保健局であるBong County Health Teamに人口約800人の僻村(Geleyansiesu、ボン郡に隣接するバルポル郡南東部)からボン郡のEbola治療施設(ETU)に搬送された男性がEbolaを発症したとの報告があった。この男性の娘(10歳)および妻(37歳)はGeleyansiesuにてEbolaとみられる疾患により死亡しており、男性は10月24日より発熱、嘔吐、下痢を発症、25日にボン郡ETUに搬送され、11月12日に回復し退院した。Geleyansiesuへのアクセスはカヌーと数時間の徒歩のみである。10月30日、MOHSW、バルポル郡、ボン郡、CDCおよび他の国際協力機関による調査が開始され、9月18日~11月6日にてEbolaは計22例(確診例:18例、可能性例:2例、疑い例:2例)確認され、罹患率は1,000人あたり28であり、うち16例が死亡している(致死率:73%)。症例の年齢中央値は34歳(6例が18歳未満)、男性は13例(59%)であった。22例中15例がETUまたは地域の治療センターに入院、発症から入院までの期間は平均3.4(2~8)日間であった。10月30日以降の発症例はなく、12月20日にアウトブレイクの終息が宣言された。陸路や遠距離通信手段のない僻村でのアウトブレイクに対しては、各村の状況に応じて、1) Ebolaのウイルス伝播経路、徴候、症状、症例の隔離の重要性に関する教育、2) 症例を最寄りのETUへ安全に搬送する方法の確立、3)症例調査、接触追跡、接触者のモニタリング、4)衛生的な遺体の埋葬、5)症例の早期発見と診断、6)ETUへの搬送を拒否または搬送できない症例の隔離と非接触治療などの介入が行われ、これらの介入によりアウトブレイクの期間の短縮が可能となると考えられている。
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