ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)低体温症に関連する死亡 ― ウィスコンシン州、20・・・
2015/02/20Vol. 64 / No. 6
MMWR64(6):141-143
Hypothermia-Related Deaths — Wisconsin, 2014, and United States, 2003–2013
深部体温が35℃以下に低下して発症する低体温症は、低温環境への曝露、薬物中毒、代謝または神経障害によって発生する。ウィスコンシン州公衆衛生局およびCDCは、低体温症のリスク因子を明らかにするため、2014年1月1日~4月30日の低温期における低体温症関連死について分析し、2003~2013年のアメリカ全土における集計と比較した。2014年1月~4月、ウィスコンシン州において27例の低体温症関連死が発生した。死亡例の年齢中央値は66歳(範囲:25~95歳)で、18例(67%)が男性であった。薬物検査を実施した9例(33%)のうち、6例(67%)はアルコール陽性、1例(11%)からはオピオイド鎮痛薬および大麻の成分であるカンビノイドが検出された。18例(67%)が戸外で発見され、死亡時の推定外気温の中央値は-15℃(範囲:-26℃~2℃)であった。4例(15%)は屋内で発見されたが、暖房器具は未使用あるいは故障中であった。5例(19%)が精神疾患歴を有し、15例(56%)は独居、2例(7%)はホームレスであった。一方、アメリカでは2003~2013年において13,419例の低体温症関連死が発生した。未補正の年死亡率は10万人当たり0.3~0.5例で、この期間にわたり統計的に有意に増加していた。9,050例(67%)が男性で、死亡率は高齢になるほど高く、65歳以上において10万人当たり1.8および1.1であった。1,391例(10%)がアルコールまたは薬物中毒であった。極度の気温低下など異常気象が予想される際には避難所の開設など対策はとられているものの、高齢者やホームレス、独居者など社会的孤立者に対する啓蒙やより積極的な介入が必要である。また、低体温症の徴候やリスクを避ける方法、アルコールやある種の薬物の摂取が低温関連障害のリスクを高めることについて啓蒙が必要である。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.