ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)アメリカでのエボラ小集団の調査中におけるエボラ患者・・・
2015/02/13Vol. 64 / No. 5
MMWR64(5):121-123
Addressing Needs of Contacts of Ebola Patients During an Investigation of an Ebola Cluster in the United States — Dallas, Texas, 2014
アメリカでは2014年9月30日に初のエボラウイルス病(Ebola)患者が確認され、その患者をケアした医療従事者2名がその後、Ebolaを発症した。これを受けて地方、州および連邦衛生局はさらなるEbola輸入例を予防するため、Ebola患者と接触した人々を識別、監視する対策を開始し、これまで計179名(前出の医療従事者2名を含む)が対象となった。内訳は医療従事者:149例、地域での接触例:20例、初症例が搬送された救急車が清掃、消毒される前にその救急車で搬送された患者:10名であり、地域および救急車での接触例には学童期の小児(8例)、非英語圏(3例、スペイン人、アルメニア人、ネパール人)、慢性内科疾患合併(2例)、ホームレス(1例)が含まれていた。接触追跡は1日2回、少なくとも6時間空けて症状と体温を電話と面談(各1回)にてチェックするものであり、地域での接触例(5例)と救急車での接触例(2例)は法的管理下にて隔離され、少なくとも20名の医療従事者が自主的に隔離した。また、医療従事者68名が移動制限となり、食料品店やレストラン等の公共集合施設、民間の交通手段での旅行が禁じられた。社会的隔離措置となった接触例は食料、おむつ、医薬品、処方箋薬のリフィルなどの入手が困難となり、勤労者は出社できず、さらに地域での接触例の家族は写真や氏名、住所がメディアで公表された後、地域の人々からの非難を受け、外出できなくなるなどの問題が発生し、学童期の小児は学校および保育園を21日の観察期間中は休みとなった。これら接触例の3/4以上がストレス、社会的隔離または非難を受けたと報告し、自分や家族が発症する不安を訴えたことから、これらをサポートする体制を整える必要性が示唆された。
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