ホームIMICライブラリMMWR抄訳2015年(Vol.64)エボラ治療施設および地域ケアセンターの効果 ― リ・・・
2015/01/30Vol. 64 / No. 3
MMWR64(3):67-69
Effectiveness of Ebola Treatment Units and Community Care Centers — Liberia, September 23–October 31, 2014
エボラウイルス感染例を感染リスクの抑制策を施したエボラ治療施設(ETUs)および地域ケアセンター(CCCs)、または埋葬を安全に行い、患者を隔離し、接触を避けるなど感染リスクを抑制する行動を取るよう奨励された同等の社会環境に収容することにより、エボラウイルス感染症のアウトブレイクは遅延化し、収束する方向に向かっている。2014年8月28日までのリベリアにおける累積症例数データを使用したEbolaResponseモデルでは、感染リスク抑制の対策を行わず、人間行動を変えない場合、10月31日までにさらに約23,000例増加すると予測されていたが、実際の報告数は6,525例であった。今回、CDCはEbolaResponseモデルを用いて、2014年9月23日~10月31日のリベリアにおけるエボラ感染予防におけるETUs、CCCsおよび同等の社会環境の効果を評価した。この期間、エボラ感染例はETUsに20%、CCCsまたは同等の社会環境に35%が収容され、45%は患者の隔離などの予防対策が行われていない家庭に収容されていた。ETUsに収容された患者が予防対策のない家庭に収容されたとした場合(シナリオ1:CCCs/同等の社会環境:35%、対策なしの家庭:65%)、エボラ感染例は2,244例増加、CCCs/同等の社会環境に収容された患者が予防対策のない家庭に収容された場合(シナリオ2:ETUs:20%、対策なしの家庭:80%)、感染例は4,487例増加したと推定され、すべての患者が予防対策のない家庭に収容された場合(シナリオ3)は9,097例の増加と推定された。また、ETUsに収容されるエボラ感染例が1%増加するごとに112例の感染が回避され、CCCs/同等の社会環境では128例、ETUs/CCCs/同等の社会環境では165例の感染が回避されると推定された。さらに症例数が2倍に増加するまでに必要な日数は、シナリオ1:23日、シナリオ2:20日、シナリオ3:18日と算出された。以上、ETUs、CCCsおよび同等の社会環境へエボラ感染例を収容することにより約9,000例の感染が阻止されることが示され、これらの施設の整備はエボラ感染拡大の予防に有効であると考えられた。
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