ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)エボラウイルス病輸入例への対応 ― オハイオ州、2・・・
2014/11/21Vol. 63 / No. 46
MMWR63(46):1089-1091
Response to Importation of a Case of Ebola Virus Disease — Ohio, October 2014
2014年9月30日、テキサス州保健局はアメリカ国内におけるエボラウイルス病(Ebola)確定診断の初発例発生を発表した。症例(症例1)はリベリアからの帰国者であった。症例2および3は症例1の看護を担当した看護師で、それぞれ10月11日および15日にEbolaと診断された。症例3は10月10~13日にテキサス州ダラスからオハイオ州クリーブランドに旅行していた。オハイオ州保健局はCDCに対し、症例3との接触者の特定、Ebola伝播のリスク評価、感染コントロール手順、地域医療システムにおける準備状況の評価および指導について協力を要請した。症例3の移動と行動についての聞き取り調査に基づき、家族2名(うち1名はテキサス州にて監視)、友人およびその家族10名、1店舗における従業員および顧客60名、空港および搭乗機の乗務員17名、乗客76名の計164名が、21日間の監視を受けた。監視は曝露の空間的・時間的強度により異なり、20名は直接的積極的監視(1日1回の対面および電話での健康観察および報告)と移動制限の対象となり、直接的接触のあった3名は自宅隔離とされた。11月3日までに新たなEbola感染例は発生せず、164名の監視は終了した。一方CDCは、オハイオ州北西地域の7医療機関のEbola症例対応の準備状況について評価を行った。全7施設がEbola疑い症例の移送および隔離設備を有しており、うち5施設では診断確定までの72時間の治療が可能であった。また、地域保健当局はEbola疑い症例の発見、移送に関する共同緊急行動計画を策定した。今回のオハイオ州の対応は、他州における対応計画の策定に際し参考となるであろう。
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