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MMWR抄訳

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2014/10/24Vol. 63 / No. 42

MMWR63(42):947-949
Influenza Outbreak in a Vaccinated Population — USS Ardent, February 2014

ワクチン接種済み集団におけるインフルエンザのアウトブレイク ― アメリカ海軍掃海艦アーデント、2014年2月

2014年2月10日、訓練のためカリフォルニア州サンディエゴ港に停泊中のアメリカ海軍掃海艦アーデントにおいて、乗員102名中25名がインフルエンザ様疾患(ILI)を訴えた。25名は21~44歳の健康な男性で、2月5日~11日にILI症状を発現していた。鼻腔スワブの迅速検査で25名中16名から、ポリメラーゼ連鎖反応検査で20名からA型インフルエンザウイルスが検出され、そのうち18名はH3N2亜型であった。分離ウイルスのHA遺伝子シークエンスの結果、ウイルスは2013~14年北半球インフルエンザシーズンに流行した株と99%一致し、同シーズンのワクチン株とは5アミノ酸の変異を有し、ワクチンのH3N2成分と抗原的に一致した。乗員102名中99名、ILI患者25名中24名は同シーズンのインフルエンザワクチンを3カ月以上前に接種済みであった。発症後48時間以内の患者にはワクチン歴や検査の有無を問わずオセルタミビルが投与され、発症者は隔離(下艦と48時間の自宅待機)された。艦内の消毒を行い、乗員に対しては手洗いと消毒、咳エチケット、発症の報告について指示が出された。また、アーデントと同じ桟橋に係留する掃海艦3隻に対して情報提供を行った。2月14日以降、新たな感染者は報告されていない。乗員の聴取から、アーデントの乗組員1名(患者A)が1月30日に発熱と発咳のため地域の救急医療機関を受診していたことが判明した。患者Aは腎盂腎炎と診断され、インフルエンザ検査は受けていなかった。その後患者Aはアーデントに乗船していないが、上陸時にルームメイトであった乗組員が2月5日にILI症状を発現したことから、実際の感染源は患者Aであり、ルームメイトが乗員間にウイルスを伝播したと推察された。本事例の6週間前にサンディエゴ郡において16例のインフルエンザA (H3N2)感染例が発生していたことから、停泊期間中に地域のコミュニティにおいて感染した可能性がある。本事例により、健康なワクチン接種済み集団におけるH3N2インフルエンザの発生リスクについて改めて注意が必要であることが示唆された。

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