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MMWR抄訳

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2014/10/10Vol. 63 / No. 40

MMWR63(40):903-906
Acute Flaccid Paralysis with Anterior Myelitis — California, June 2012–June 2014

前部脊髄炎による急性弛緩性麻痺 ― カリフォルニア州、2012年6月~2014年6月

2012年8月に、California Department of Public Health (CDPH)はサンフランシスコ湾岸の医師より、ポリオワクチン未接種で、前部脊髄炎に関連する急性弛緩性麻痺(AFP)の29歳男性に対するポリオウイルス検査の依頼を受けた。2週間以内に、CDPHはさらに2例の病因不明の前部脊髄炎によるAFPの報告受けた。CDPHのViral and Rickettsial Disease Laboratoryの検査では、鼻咽頭スワブおよび脳脊髄液(CSF)にポリオウイルスが含まれるエンテロウイルス(EV)は検出されず、臨床症状を説明できる病原体は検出されなかった。CDPHはその他の症例を調査するために、カリフォルニア州の地域の保健所の広報に警報を掲載し、神経疾患の症例報告を調査するとともに、医師に検査のための臨床検体の提出を奨励した。その結果、2012年1月から2014年6月までに発症した病因不明の前部脊髄炎によるAFPは23例であった。CDPHのViral and Rickettsial Disease Laboratoryにおいて、鼻咽頭スワブ、便また直腸スワブ、CSF、血清について、ポリオウイルスが含まれるEVはじめとする多数の感染体について検査した。WHOまたはCDCガイドラインに合致したポリオウイルス検査のための検体は2例のみであった。2例の上気道検体からEV-D68が検出されが、報告された症例に共通する病因は特定できなかった。報告された23例(1~73歳)は若年および男性が多く、15歳未満が15例、56%が男性であった。罹患症例の人種/民族の分布はカリフォルニア州と同様であり、居住地は多様で、発症に季節性および時間的傾向はなかった。症例に共通する臨床所見は、AFP発症前10日以内の上気道または胃腸の前駆症状(83%)、CSF細胞増加症(83%)、感覚障害なし(78%)であった。また、精神状態の変化は10例(43%)、脳神経障害は8例(34%)で認めた。症例の入院日数は長期(中央値17日)で、情報が利用可能であった13例では追跡期間の60日時点で麻痺が持続しており、5例では病院からリハビリテーション施設への転院時に人工呼吸器依存性であった。成人1例で死亡を認めた。精神状態の変化を認めた10例のうち8例では、認知機能は退院時にベースラインまで回復した。情報が利用可能であった症例のうち、14例中12例は以前にポリオワクチンの接種を受けており、2例は個人的信念のため接種を免除されていた。ワクチン未接種で静注免疫グロブリン療法前の血清が利用可能であった小児では、ポリオウイルスに対する中和抗体は陰性であった。発症前1カ月間に、海外へ渡航した症例はいなかった。前部脊髄炎によるAFPは麻痺性灰白髄炎の古典的な臨床像であるため、原因不明の前部脊髄炎によるAFPでは、全症例においてポリオウイルス感染を除外する必要がある。また、EV-D68に関連する疾患の範囲は、AFPも含め神経学的兆候も含まれる可能性がある。

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