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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2014年(Vol.63)麻疹 ― アメリカ、2014年1月1日~5月23日

MMWR抄訳

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2014/06/06Vol. 63 / No. 22

MMWR63(22):496-499
Measles — United States, January 1–May 23, 2014

麻疹 ― アメリカ、2014年1月1日~5月23日

麻疹はアメリカでは2000年に根絶が宣言されたにもかかわらず、世界の流行地域からの麻疹症例の輸入は、主にワクチン未接種の人々の間に二次的な麻疹症例およびアウトブレイクを引き起こしている。アメリカ国内の麻疹データを更新するために、CDCは2014年1月1日~5月23日に報告された症例を検討した。その結果、麻疹確定288例がCDCに報告され、根絶以来、最も高い年間合計を示した(2011年、220例)。症例の年齢は生後2週~65歳で、43例(15%)が入院し、合併症は肺炎(5例)、肝炎(1例)、汎血球減少症(1例)、血小板減少症(1例)であった。脳炎症例および死亡例は報告されなかった。症例は18州およびニューヨーク市で報告され、大半はオハイオ州(138例)、カリフォルニア州(60例)、ニューヨーク市(26例)で発生した。15件のアウトブレイクは報告された症例の79%(288例中227例)を占め、アウトブレイクのサイズの中央値は5例(3~138例)であった。138例が関与する進行中のアウトブレイクは、オハイオ州のワクチン未接種のアーミッシュのコミュニティ間で主に発生している。288例のうち、280例(97%)は少なくても18カ国からの麻疹輸入と関連し、麻疹獲得源が特定できなかったのは8例(3%)であった。45例は直接的な麻疹の輸入例として報告され、外国からの帰国したアメリカ居住者:40例、外国からの旅行者:5例であった。22例はフィリピンからの帰国者であった。他の輸入症例には、WHOの西太平洋地域(7例)、東南アジア地域(8例)、ヨーロッパ地域(4例)、アメリカ地域(3例)、地中海東岸地域(1例)が関連した。麻疹の遺伝子型を103例(36%)で解析し、B3:67例、D9:23例、D8:12例、H1:1例であった。麻疹症例の大半はワクチン未接種:200例(69%)またはワクチン状態不明:58例(20%)であり、30例(10%)はワクチン接種者で発生した。ワクチン未接種で麻疹に感染したアメリカ居住の195例間では、165例(85%)が宗教、哲学、個人的な理由なためにワクチン接種を拒否しており、その他に、11例(6%)は機会の逸失、および10例(5%)は幼すぎる(生後12カ月未満)ためワクチン接種を行わなかった。今年は麻疹症例が急増しているため、医療提供者は高ワクチン接種率の維持、旅行前の適時のワクチン接種の確保、症例の早期の発見と隔離に注意を払う必要がある。

References

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