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MMWR抄訳

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2014/03/14Vol. 63 / No. 10

MMWR63(10):209-212
Likely Female-to-Female Sexual Transmission of HIV — Texas, 2012

女性間の性行為によると思われるHIV伝播 ― テキサス州、2012年

同性愛女性間のHIV伝播の報告はまれで、注射薬物使用や異性パートナーとの性行為、刺青など他のリスク要因もあり、確定は難しい。2012年8月、Houston Department of HealthからCDCに女性間性行為によるHIV伝播について照会があり、調査を行った。感染が確認された女性の問診によれば、過去10年間に異性間性行為を行っておらず、最近5年間に3人の同性の性行為パートナーがいたが、その他のHIV感染リスク行為はなかった。女性は血漿を売血しており、2012年3月の売血時の酵素抗体法(EIA)によるHIV血清スクリーニング検査は陰性であった。同4月、売血10日後に咽頭痛、発熱、嘔吐、食欲減退等の症状を訴え救急外来を受診、EIA検査は陰性で、上部気道感染症を疑いアジスロマイシンの投与を受け退院した。退院18日後に再び売血に行ったところ、EIA検査およびその後のウェスタンブロット検査でHIV陽性と判明した。感染源と考えられた性行為パートナーは、HIV陽性と判明した2008年9月時に血中ウイルス量82,000copies/mL、CD4陽性T細胞数372/mm3(25%)で、2009年2月に抗レトロウイルス治療を開始したが、2010年11月に治療を中止した。2011年1月時に血中ウイルス量178copies/mL、CD4陽性T細胞数554/mm3(44%)と改善していたが、その後は受診していない。問診では、避妊具を使用しない口や膣への接触、性具の共有、性交時出血、月経時の避妊具を使用しない性交を報告していた。新たに感染が確認された女性がHIV陽性と判明するまでの性交期間はわずか6カ月であった。2012年9月の検査では、両例のEIA法およびウェスタンブロット法による抗体プロファイルは同一で、分離ウイルスの遺伝子解析結果はgag領域で98.7%、envおよびpol領域で98.0%と高い相同性を示し、実質的に同一と考えられた。パートナーの血中ウイルス量は69,000 copies/mLであった。女性間のHIV伝播はまれであるが、膣分泌物や体液、月経血の曝露で感染する可能性がある。HIV感染者は自身の感染状態について知り、カウンセリングと安全な性行為教育のため、継続して医療機関を受診するべきである。血中ウイルス量を低値に抑えることで良好な転帰とパートナーへの伝播を減ずることが可能である。

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