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MMWR抄訳

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2014/01/24Vol. 63 / No. 3

MMWR63(3):49-54
Fatal Hemophagocytic Lymphohistiocytosis Associated with Locally Acquired Dengue Virus Infection — New Mexico and Texas, 2012

局地的な後天性デングウイルス感染症に関連した致死性の血球貪食性リンパ組織球症 ― ニューメキシコ州およびテキサス州、2012年

デングウイルス(DENV)-3感染が誘発したと考えられる致死性の後天性血球貪食性リンパ組織球症(HLH)の1例について報告する。症例は63歳女性、夫とともに2012年8月1日にテキサス州からニューメキシコ州サンタフェへ旅行し、26日に旅行先で疲労、食欲不振、頭痛、血尿、下肢痛をきたし、28日に帰宅した。症状が持続したため、9月2日にテキサス州中央の診療所を受診した。既往歴は、クローン病(メルカプトプリンとメサラミンで治療)、子宮癌による子宮切除、甲状腺摘出、高血圧(リシノプリルで治療)、冠動脈疾患、高脂血症、顕微鏡的血尿を伴う慢性腎疾患、肥満、うつ病であった。検査では、発熱、低血圧、酸素飽和度低下、白血球減少症を認めた。脱水と診断され、1Lの通常生理食塩水の点滴を受けたが症状は解消せず、4日にかかりつけ医を受診した。身体所見で発熱および低血圧を認め、リシノプリルを中止した。ウエストナイルウイルス(WNV)の血清学的検査が実施され、ドキシサイクリンが処方された。10日に抗-WNVイムノグロブリンM(IgM)が弱陽性の結果と判明し2週間の安静、また、血清学的にチフス熱は陰性のためドキシサイクリンを中止した。その後、22日に救急部を受診、トリアージおよび診察にて低血圧、頻脈、酸素飽和度低下、黄疸を認められた。検査所見では、血小板減少、貧血、急性肝障害を示したため、専門病院へ転院した。メルカプトプリンおよびメサラミンは中止、肝炎ウイルス感染検査は陰性であった。入院2~4日の間、低血圧、頻脈の他に、脂肪肝所見、抗核抗体陰性、呼吸性ラ音、足の浮腫、咳を伴う喘鳴、中心静脈カテーテル挿入部位からの出血、血清フェリチン値の上昇、部分トロンボプラスチン時間の延長、フィブリノゲン値の減少を認め、入院5日目に、発熱、肝酵素の上昇、左肺への陰影を伴う浸潤、抗核抗体およびリウマチ因子が陽性となったことから、ウイルス誘発性のHLHと推定し、骨随穿刺を実施した。その後、7日間で両側性の胸水、脾腫、浮腫、喀血、出血を伴う水溶性下痢を形成し、肝生検ではウイルス感染過程での劇症肝炎が示唆された。また、WNVの血清学的およびRT-PCR検査はそれぞれ弱陽性および陰性であった。WNV誘発性の肝炎の可能性のため、インターフェロン療法を開始した。患者の肝臓および骨髄生検検体は、WNV感染の確認のためにCDCへ送付された。患者はその後、腎不全、呼吸窮迫症、脳炎を発症し、10月3日に死亡した。CDCでの骨髄RNAのRT-PCR検査ではWNVは陰性であったが、DENV-3が同定された。一方、肝臓および骨髄の抗DENVによる免疫組織学的染色は陰性であった。夫妻と一緒に旅行した他の4人に発症はなく、4人と夫の抗DENV抗体は陰性であった。症例は2012年5月にフランスへ訪れた後は、アメリカ本土外へ渡航したことはなかった。医師および公衆衛生関係者はアメリカ国内においてもDENV感染に注意を払い、必要な検査を行うとともに、DENV感染症の予測される合併症としてHLHを認識すべきである。

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