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MMWR抄訳

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2014/01/17Vol. 63 / No. 2

MMWR63(2):35-37
Zinc Deficiency–Associated Dermatitis in Infants During a Nationwide Shortage of Injectable Zinc — Washington, DC, and Houston, Texas, 2012–2013

注射用亜鉛の全国的不足時に生じた乳児の亜鉛欠乏性皮膚炎 ― ワシントンDC、テキサス州ヒューストン、2012~2013年

亜鉛は代謝や細胞成長に関わる酵素の補因子として免疫機能、代謝、消化管の成長、生殖に必要な微量元素である。注射用亜鉛は未熟児の静脈栄養(PN)に不可欠であるが、2012年後半からアメリカ国内で在庫不足となっていた。2012年12月18日、3例の未熟児(2例は妊娠24週、1例は29週で出生、出生時体重551g~734g)がびらん性のおむつ皮膚炎と手足の水疱を呈し、亜鉛欠乏症と診断された。3例とも未熟児胆汁うっ滞症で亜鉛除去PNを投与されており、注射用亜鉛が不可欠であったが、病院では2012年11月から注射用亜鉛が欠品していた。2013年1月3日、DC Department of HealthおよびCDCは亜鉛欠乏症に関する調査を開始し、1月10日、アメリカ小児科学会は全米約3,000名の新生児科医および800の新生児ICUに注射用亜鉛の欠品について情報提供した。1月21日、テキサス州ヒューストンの新生児科医よりCDCに4例の亜鉛欠乏症について報告があった。4例のうち2例は妊娠37週以上、1例は33週、1例は25週で出生し、出生時体重は690g~2,950gであった。病院では2012年11月から注射用亜鉛が欠品していた。最初の1例を除く6例の血清亜鉛濃度は14~56μg/dL(正常値:70~120μg/dL)と低く、アルカリフォスファターゼ濃度も32~125 U/L(正常値:150~420 U/L)と低かった。7例全例が胆汁うっ滞症で、6例が亜鉛欠乏に関連する皮膚炎、3例が細菌感染を起こしていた。1例は経口栄養が可能となり皮膚炎は治癒した。1例で亜鉛除去PNを投与される前から敗血症と肝不全を発症した。2病院には緊急に注射用亜鉛が届けられ、6例の血清亜鉛濃度およびアルカリフォスファターゼ濃度が正常値に回復、皮膚症状も改善し、5例が退院した。残り2例は死亡したが、1例は亜鉛欠乏症と関連のない死因であり、残る1例も関連は不明であった。FDAによると、アメリカ内で注射用亜鉛を製造する会社はAmerican Regent社(以下A社)およびHospira社の2社であり、2012年秋、A社からFDAに硫酸亜鉛を含む複数の化学製品の製造遅延の報告があった。A社は1月22日から注射用亜鉛の販売を開始したが不足を補えず、海外の製薬会社であるLaboratoire Aguettant社およびそのアメリカ販売業者であるBaxter Healthcare社が、FDAの協力の元に一時的に輸入販売を行った。FDAは国内2社の製造促進に協力するとともに、注射用亜鉛の在庫と供給についてウェブサイトにて情報提供を行っている。

References

  • CDC. Notes from the field: zinc deficiency dermatitis in cholestatic extremely premature infants after a nationwide shortage of injectable zinc—Washington, DC, December 2012. MMWR 20013;62:136–7.
  • Greene HL, Hambidge KM, Schanler R, Tsang RC. Guidelines for the use of vitamins, trace elements, calcium, magnesium, and phosphorus in infants and children receiving total parenteral nutrition: report of the Subcommittee on Pediatric Parenteral Nutrient Requirements from the Committee on Clinical Practice Issues of the American Society for Clinical Nutrition. Am J Clin Nutr 1988;48:1324–42.
  • Burjonrappa SC, Miller M. Role of trace elements in parenteral nutrition support of the surgical neonate. J Pediatr Surg 2012;47:760–71.
  • Krebs N. Update on zinc deficiency and excess in clinical pediatric practice. Ann Nutr Metab 2013;62(Suppl 1):19–29.
  • Prasad AS. Impact of the discovery of zinc deficiency on health. J Am Col Nutr 2009;28:257–65.

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