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MMWR抄訳

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2013/12/20Vol. 62 / No. 50

MMWR62(50):1029-1031
Outbreak of Escherichia coli O104:H4 Infections Associated with Sprout Consumption — Europe and North America, May–July 2011

スプラウト消費に関連した大腸菌O104:H4感染のアウトブレイク ― ヨーロッパおよび北アメリカ、2011年5月~7月

2011年5月19日にドイツのRobert Koch研究所は、溶血性尿毒症症候群(HUS)でハンブルクの病院に入院した3例の報告を受け、症例の検体からはこれまではヒトの疾患に影響を及ぼすことが稀であった腸管凝集性の志賀毒素産生性大腸菌(STEC) O104:H4が分離された。疾患は5月初旬に発生し、当初は北ドイツに集中していたが、急速にドイツ全体で増加し、6月1日までに約1,534例が発見され、このうち470例(31%)でHUSを合併した。その後、新規症例が、ヨーロッパ全土と最近ヨーロッパを旅行した人々にも確認された。5月25日にドイツの公共保健機関は、STEC O104:H4症例の大幅な増加に関するWHOへのInternational Health Regulationsの通知を作成し、アメリカ国務省はCDCへ通知した。ドイツで実施されたレストランのコホート研究およびトレースバックでは1件の農場で生産された生のミックスしたスプラウトとの関連が指摘され、その製品は6月10日に回収された。6月24日には、フランスでも地元で生産したスプラウトの消費に関連したSTEC O104:H4感染が10例確認され、7例でHUSを発症した。最終的にヨーロッパの保健機関は、ドイツおよびフランスのアウトブレイクの原因となったスプラウトの由来として、エジプトから輸入されたフェネグリークシードの1ロットを特定した。CDCはこのアウトブレイクに関連した症例の調査を開始し、ドイツへの最近の旅行と関連したSTEC下痢性疾患またはHUSのすべての症例について州に問い合わせた。症例は、アウトブレイク株とマッチするパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)パターンを持つSTEC O104:H4が臨床検体から特定されたときに、確定された。また、患者は、疾患発症前3週間の食品消費および環境曝露に関する自由回答形式の面接を受けた。アメリカでは5月26日~6月16日の間に5州において6例(アリゾナ州:1例、マサチューセッツ州:1例、ミシガン州:2例、ノースカロライナ州:1例、ウィスコンシン州:1例)が確認された。患者の年齢は38~72歳(中央値52歳)で、女性は2例、4例(66%)がHUSを発症した。5例は発症前3週間にドイツへまたはドイツから旅行し、あとの1例は旅行した症例の近親者であった。ドイツ滞在中、全例でスプラウトを消費した記憶はなかった。すべての検体で、アウトブレイク株と識別できないPFGAパターンを持つSTEC O104:H4パターンが確認され、STECおよび腸管凝集性(EAEC)の病原型の特性を示した。全ての分離株で志賀毒素変異をコードするstx2a遺伝子、および病原性プラスミドと染色体性遺伝子の調節因子をコードし、EAECの特徴であるaggR遺伝子が陽性であり、粘膜接着蛋白質をコードするeae遺伝子は陰性であった。6例の患者からの分離株は、アンピシリン、セフトリアキソン、ストレプトマイシン、スルフィソキサゾール、テトラサイクリン、トリメトプリム/スルファメトキサゾールに耐性であった。2011年7月5日に、EUはエジプトからのフェネグリークシードおよびその他の種子、豆、スプラウトの輸入を禁止した。7月26日にドイツの公共保健機関は、アウトブレイクの終結を宣言したが、感染は最終的に16カ国で発生し、症例数:4,075例(HUS合併:908例)、死亡:50例であった。稀少および新規の病原体による疾患およびアウトブレイクを発見した場合は、推奨されているSTEC診断テストを順守することが重要であり、食品を媒介としたアウトブレイクの効果的な制御のために、強固な保健インフラが必要とされている。

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