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MMWR抄訳

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2013/12/20Vol. 62 / No. 50

MMWR62(50):1026-1028
Outbreak of Staphylococcal Food Poisoning from a Military Unit Lunch Party — United States, July 2012

軍隊のランチパーティーで発生したブドウ球菌による食中毒のアウトブレイク ― アメリカ、2012年7月

2012年7月30日、ランチパーティーから2~3時間後に胃腸症状を来した13名が陸軍病院の救急外来を受診し、1名が市民病院に搬送された。軍の公衆衛生職員は直ちにCDCの援助を受け、このアウトブレイクに関する調査を開始した。症例はパーティーに参加し、胃腸症状(悪心、嘔吐、腹痛、下痢など)を来した者とし、この基準を満たす3名の便検体およびパーティーの食べ残しを収集し、CDCにて分析を行った。パーティーの参加者40名のうち35名に対する問診にて、22名(62%)が症例基準を満たし(悪心:19、嘔吐:15、下痢:17、腹痛:17、頭痛:13名)、うち13名(59%)が寒気、4名(18%)が発熱による寒気を来した。症状の発現は食後平均2.1時間後、症状の持続は平均10.7時間であった。また、ペルロ(鶏肉、ソーセージ、米の料理)を食べた人では発病率が81%と高く、強い関連性が示唆された。このペルロと鳥手羽、プルドポーク、グリーンビーンズのポテト添えの計4種類と患者の便検体(3名)の細菌分析では、ペルロからブドウ球菌エンテロトキシンAが検出され、これが今回のアウトブレイクの原因であると考えられた。ペルロは29日、鶏もも肉とソーセージを電子レンジで解凍し、鶏もも肉は沸騰した湯の入った鍋で煮て、冷ました後に骨を手で取り、鍋に戻した。ソーセージはフライパンで焼き、鍋に加え、玉ねぎと調味料をソーセージを焼いた油で炒めて、鍋に加えた。最後に米を鍋に入れ、水がなくなるまで煮て、一晩(約8時間)、温めていないオーブンの中に入れていた。そして30日の朝、スロークッカー(煮込み用電気鍋)に移し、1時間ほど再加熱してパーティーに供した。また、調理の段階でも料理を供する段階でも手袋を付けていなかった。黄色ブドウ球菌は6~48℃にて複製、10~46℃にてエンテロトキシンを産生し、それぞれ35~41℃、34~40℃が至適温度とされている。エンテロトキシンは熱処理、低pH、蛋白分解酵素に抵抗性を示し、一度産生されると調理、保存の段階でも保持され、そのまま摂取される。保存する場合は5℃以下とし、また、料理に関わる場合は必ず手をよく洗うことが食中毒の予防に重要である。

References

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