ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)精製タンパク誘導体ツベルクリン皮膚反応抗原液の不足・・・
2013/12/13Vol. 62 / No. 49
MMWR62(49):1014-1015
Extent and Effects of Recurrent Shortages of Purified-Protein Derivative Tuberculin Skin Test Antigen Solutions — United States, 2013
結核(TB)感染を検出するツベルクリン皮膚反応(TST)抗原液は、Tubersol (サノフィパスツール社、以下サ社)およびAplisolの2製品がFDAにより認可されている。Tubersolは2012年後半から2013年にかけて製造停止したため、代替としてAplisolの需要が増加し不足した。Tubersolの製造は2013年5月に再開され、6月初めには供給もほぼ回復していたが、7月半ば、州のTBコントロール事務局からCDCに両製品が入手困難であると通告があり、サ社はFDAに対し、10検査分および50検査分バイアルの供給に遅延が生じていると報告した。10月半ばに、10検査分バイアルは過去の購入量に基づく割り当て販売が開始され、10月下旬には50検査分バイアルも1ヶ月に1本の割り当て販売が開始された。供給は2014年1月中には通常量に回復する予定である。抗原液の不足のため延期した検査を供給再開後に実施したことにより、抗原液の需要が急激に増加し、再び在庫不足が生じた可能性がある。2013年8月中旬、CDCはTBコントロールプログラム参加68自治体におけるTST抗原の不足状況について調査を行った。2012年に報告されたTB症例の93%に相当する52自治体(43州、2自治区および7市)の事務局から回答があり、29自治体(56%)は、TST抗原の不足が生じており、定期検査に支障が生じる恐れがある、あるいは規模を縮小した、と報告した。8月の状況とTubersol供給再開直前の6月初旬とを比較すると、29自治体のうち13自治体が、8月の方がより厳しい状況にある、と回答した。不足を生じなかった23自治体のうち4自治体は、入学前検診等の定期検査を延期した。12自治体は、潜在性TBを検出できるもう一つの検査法であるインターフェロンγ放出アッセイ(IGRA)血液検査をより多く実施するよう切換えた。CDCはTST抗原の不足への対応として、(1)TSTの代替としてIGRA血液検査を実施、(2)公衆衛生当局の指定する優先順位に従ったTST抗原の割り当て、(3)TST抗原液をTubersolからAplisolへ切換え(Aplisolの在庫量による)、のいずれかを推奨している。TST抗原を含む生物学的製剤の欠品状況については、FDAのウェブサイトにて最新情報の閲覧が可能である。
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