ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)ポリオ撲滅への進歩 ― ナイジェリア、2012年1・・・
2013/12/13Vol. 62 / No. 49
MMWR62(49):1009-1013
Progress Toward Poliomyelitis Eradication — Nigeria, January 2012–September 2013
ナイジェリアは野生型ポリオウイルス(WPV)伝播が遮断されていない国の1つであり、2003年以降、周辺のポリオフリー25ヶ国で発生したアウトブレイクの再輸入源となっている。2012年、ナイジェリア政府はポリオ撲滅のための国家緊急行動計画を策定した。本報告は、2012年1月~2013年9月のナイジェリアにおけるポリオ撲滅活動についてまとめた最新の報告である。2013年1月~9月、ポリオ49例が9州の26地方自治区(LGA)より報告された。2012年の同期間には101例が13州の70 LGAより報告され、2012年全期間では計122例となった。WPV 3型は2012年11月から発生していない。2013年には初めて、ナイジェリア北西部でポリオの発生が認められなかった。2013年初頭、これまで報告のなかった北部中央2州および連邦首都地区(FCT)において発生があり、2013年の49例のうち42例(86%)が北東部4州(Borno、Kano、YobeおよびBauchi)における発生であった。循環型ワクチン由来ポリオウイルス2型は2012年に8例、2013年に1例報告されている。3価の経口ポリオワクチン(OPV)の3回接種率は全国で2012年:73%から2013年1月~9月:84%と上昇した。2012年1月~2013年9月の間、3価のOPVを用いた全国的な追加予防接種活動(SIA)が4回、高リスクの北部州にて2価(1型および3型)のOPVを用いた地域的SIAが11回、計15回のSIAが実施された。2013年2月、BornoおよびKano州にて13名の保健職員がテロリストによる攻撃を受け死亡したことにより、同州およびYobe州におけるSIAは延期または中止となり、OPV予防接種は麻疹やA群血清型髄膜炎菌コンジュゲートワクチンの予防接種活動に併せて実施された。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスでは、2013年における非ポリオAFP発症率は15歳未満の小児10万人当たり8.8例であり、86.5%のAFP例で適切に便検体が採取されていた。下水を検査する環境サーベイランスは、2011年にはKano州の3ヶ所であったが、2013年には5州17ヶ所とFCT 2ヶ所を含む19ヶ所で実施され、2013年1月~9月の間、WPV 1型が3ヶ所で検出された。WPV伝播遮断のため、今後はSIAの質の向上やアウトブレイクへの適切な対応が必要である。
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