一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)高度看護施設2箇所におけるヒトメタ肺炎ウイルスのア・・・

MMWR抄訳

rss

2013/11/22Vol. 62 / No. 46

MMWR62(46):909-913
Outbreaks of Human Metapneumovirus in Two Skilled Nursing Facilities — West Virginia and Idaho, 2011–2012

高度看護施設2箇所におけるヒトメタ肺炎ウイルスのアウトブレイク ― ウェストバージニア州およびアイダホ州、2011~2012年

2012年1月~2月に、ウェストバージニア州およびアイダホ州の州および地方の公衆衛生当局は、2箇所の高度看護施設(SNF)での高率の下気道感染(LRTI)を特徴とする説明不能の呼吸器疾患のアウトブレイクを施設職員およびCDCの支援を受けて調査した。ウェストバージニア州では1月5日に、SNF居住者間の呼吸器疾患のアウトブレイクが州の保健部門に報告された。このSNFの居住者は83人、職員は95人で、食堂および活動エリアを共有していた。発症した居住者は28例(34%)、年齢中央値84歳(54~99歳)、女性54%であった。症例の共存症は、心臓疾患64%、認知症50%で、罹患期間の中央値は21日(3~43日)であった。症例は症状により、上気道感染症(URTI):1例、LRTI:26例(93%)に分類され、LRTIの18例(69%)はX線上で肺炎を示し、1例は分類不能であった。28例中、入院4例、死亡4例(1例は入院患者)であった。職員に対するアンケート調査(回答率:78%)では、24例(32%)が該当期間の呼吸器感染の症状を報告した。鼻咽頭(NP)検体を採取した14例すべてで、インフルエンザ検査は陰性で、5例の血液培養でも細菌増殖は陰性であった。一方、CDCに送付した9例のNP検体のうち6例で、ヒトメタ肺炎ウイルス(hMPV)が検出された。hMPV陽性症例のうち、5例はLRTIを示し、3例は肺炎が確認された。死亡した4例のうち、1例はhMPV陽性であった。また、アイダホ州では2月8日に、SNF居住者間の肺炎の集団発生がIdaho’s Southwest District Health officeへ報告された。このSNFの居住者は80人、職員は119人で、食堂および活動室を共有していた。発症した居住者は29例(36%)、年齢の中央値84歳(51~97歳)、女性62%であった。74%で複数の共存症を有し、主に認知症(59%)、糖尿病(38%)、慢性腎不全(34%)であり、罹患期間の中央値は4.5日(1~14日)であった。症例は、URTI:4例(14%)、LRTI:19例(66%)に分類され、LRTIの7例(37%)はX線写真上で確認される肺炎を示し、6例は分類不能であった。29例中、入院5例、死亡2例であった。職員の11人(9%)が、該当期間の呼吸器疾患を報告した。発症後0~7日に採取した検体に対する迅速インフルエンザ診断テスト(8例)、RSウイルス迅速試験(1例)、レジオネラ尿中抗原(3例)、肺炎連鎖球菌尿中抗原(1例)、気管支肺胞洗浄(BAL)液(1例)、喀痰試料(1例)、血液検体(5例)の細菌培養はすべて陰性であった。しかし、発症から4日未満のNP検体9例をIdaho Bureau of Laboratoriesにて検査した結果、hMPVが検出され、その後、9例のNP検体および1例のBAL検体をCDCで検査した結果、6検体でhMPVが確認された。hMPVが確認された全例がLRTIを示し、半数で肺炎が確認された。死亡した2例のうち、1例はhMPV陽性であった。両方のアウトブレイクの感染制御方法として、患者の隔離、飛沫および接触予防策、清浄環境の増強、集団での食事、活動、新規の入所の停止、病気の職員の識別および排除の徹底、居住者、職員、訪問者間の手指衛生および呼吸器エチケットの徹底が実施された。医師は、SNFにおいて重症の説明のできない呼吸器疾患が集団発生した場合は、hMPV感染を考慮すべきである。

References

  • McGeer A, Campbell B, Emori TG, et al. Definitions of infection for surveillance in long-term care facilities. Am J Infect Control 1991;19:1–7.
  • Kodani M, Yang G, Conklin LM, et al. Application of TaqMan low-density arrays for simultaneous detection of multiple respiratory pathogens. J Clin Microbiol 2011;49:2175–82.
  • van den Hoogen BG, de Jong JC, Groen J, et al. A newly discovered human pneumovirus isolated from young children with respiratory tract disease. Nat Med 2001;7:719–24.
  • Kahn JS. Epidemiology of human metapneumovirus. Clin Microbiol Rev 2006;19:546–57.
  • Widmer K, Zhu Y, Williams JV, Griffin MR, Edwards KM, Talbot HK. Rates of hospitalizations for respiratory syncytial virus, human metapneumovirus, and influenza virus in older adults. J Infect Dis 2012;206:56–62.
  • Louie JK, Schnurr DP, Pan CY, et al. A summer outbreak of human metapneumovirus infection in a long-term-care facility. J Infect Dis 2007;196:705–8.
  • Liao RS, Appelgate DM, Pelz RK. An outbreak of severe respiratory tract infection due to human metapneumovirus in a long-term care facility for the elderly in Oregon. J Clin Virol 2012;53:171–3.
  • Talbot HK, Falsey AR. The diagnosis of viral respiratory disease in older adults. Clin Infect Dis 2010;50:747–51.
  • Falsey AR. Human metapneumovirus. In: Mandell GL, Bennett JE, Dolin R, eds. Principles and practice of infectious diseases. 6th ed. Vol. 2. Philadelphia, PA: Elsevier Churchill Livingstone; 2005:2026–31.
  • Siegel JD, Rhinehart E, Jackson M, Chiarello L, and the Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee. 2007 guideline for isolation precautions: preventing transmission of infectious agents in healthcare settings 2007. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2007. Available at <http://www.cdc.gov/hicpac/2007IP/2007isolationprecautions.html.>

このコンテンツに「いいね」する

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ