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MMWR抄訳

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2013/08/09Vol. 62 / No. 31

MMWR62(31):617-621
Heat Illness and Deaths — New York City, 2000–2011

熱中症と暑熱関連死―ニューヨーク市、2000~2012年

米国では異常気象関連死のうち熱波による死亡者数が最も多く、熱波以外の暑熱関連死も発生している。ニューヨーク市(NYC) Department of Health and Mental Hygieneは市民およびホームレスに発生した高体温症(熱射病)などの熱中症に関する病院、死亡診断書、健康診断記録について解析を行った。2000~2011年、熱中症のために年平均447例が救急外来にて治療を受けて帰宅、152例が入院、13例が死亡した。この間、計154例が死亡、そのうち70例(45%)は2006年(10日間継続、うち3日間は37.8℃超)と2011年(4日間継続、最高気温43.3℃)の2回の熱波を経験した。熱中症および暑熱死者数は年齢と地域の貧困率に相関して上昇し、死亡者の多くに慢性の身体/精神性疾患の併存症が認められた。入院患者の約3%、死亡者の約5%がホームレスであった。入院患者における併存症および死亡診断書記載の死因は、心血管疾患(64%および55%)、糖尿病(23%および13%)、物質乱用(14%および11%)、その他精神疾患(24%および11%)等があり、呼吸器系疾患は入院患者に一般的に見られたものの(22%)、死因としては稀であった(4%)。2008~2011年の熱波後の高体温症による死亡48例を精査したところ、病歴として心血管疾患が36例(75%)、急性/慢性の物質乱用14例(29%)、統合失調症あるいは統合失調感情障害5例(10%)が認められた。18~64歳の死亡例の48%が肥満症で、NYCにおける同年齢の肥満率16%に比して有意に高く、29%は体重超過であった。糖尿病について有意差は認められなかった。41例(85%)は自宅で発症し、エアコンの有無について記録のあった26例のうち、23例(88%)はエアコンが無く、3例(12%)は故障中または使用していなかった。NYCの夏季の気温は今後も上昇が予測され、高齢者人口の増加や肥満症、慢性疾患罹患率の上昇に伴い深刻な熱中症や死亡の増加が予想される。熱波の間、熱中症の発症リスクが高い人には水分摂取やエアコンの使用を推奨し、エアコンを持たない市民には緊急避難場所を用意するなどの対策が必要である。

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