ホームIMICライブラリMMWR抄訳2013年(Vol.62)世界ポリオ撲滅イニシアティブのStop Trans・・・
2013/06/21Vol. 62 / No. 24
MMWR62(24):501-503
The Global Polio Eradication Initiative Stop Transmission of Polio (STOP) Program — 1999–2013
世界ポリオ撲滅イニシアティブ(Global Polio Eradication Initiative:GPEI)は、WHO、国際ロータリークラブ、CDC、UNICEFの参加により1988年に設立された。2012年までにポリオの年間発生率は1988年と比べ99%以上減少し、野生型ポリオウイルス(WPV)の循環が途絶したことがない国は、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国だけになった。しかし、当初のポリオ撲滅目標期日(2000年)後の風土性WPV感染の持続およびポリオが認められない国での再発生のために、世界保健総会は2012年にポリオ撲滅のプログラム的緊急事態の完了を宣言した。GPEIのキーとなるStop Transmission of Polio(STOP)プログラムは、WPV感染の影響を受けている国に対し人的資源および技術支援を動員するために、CDCとWHOにより1999年に開始された。STOPチームはボランティアで、一般的に看護師、医師、疫学者、獣医、情報システムおよびコミュニケーションの専門家より構成される。WHOおよびUNICEFは、予防接種の技術指導および訓練を提供する特定の国へのボランティアの配属に関与し、任務期間中ボランティアはWHOおよびUNICEF加盟国チームにより指揮される。1999~2013年に、確認および訓練されたボランティアは1,563人で、69カ国の42のSTOPチームの一員として2,221の任務についた。任務の内訳は、現場任務:1,802、コミュニケーション任務:217、データ管理任務:202で、25%は風土性のポリオ伝播国での任務であった。ボランティア数は、1999~2011年では90~120人/年であったが、2012年では287人/年、2013年では378人/年に増加した。また、年間あたりの現場のボランティア数(person-months)は、1999年の273から2012年の1,456に増加した。2013年2月にSTOPチームのボランティア458人において現場活動についてアンケート調査を実施した結果、回答率は68%で、平均51%の時間をポリオ撲滅活動[急性弛緩性麻痺(AFP)の積極的監視、AFPの検証、補足的な予防接種活動等]に、平均49%の時間を能力強化(医療従事者の訓練等)に費やしていた。STOPプログラムはPolio Eradication and Endgame Strategic Plan 2013~2018に沿って継続される予定である。STOPモデルは公衆衛生の能力強化のメカニズムとしてナイジェリアおよびパキスタンに適用されており、これらの国でGFPI活動を指導および実践するスタッフを養成することは、特にセキュリティ上の問題で国際機関のスタッフがアクセスできない地域において重要である。
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