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MMWR抄訳

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2013/01/11Vol. 62 / No. 01

MMWR62(1):5-8
Published Reports of Delayed Hemolytic Anemia After Treatment with Artesunate for Severe Malaria - Worldwide, 2010-2012

アーテスネートによる重症マラリア治療後の遅延型溶血性貧血についての文献報告-全世界、2010~2012年

アーテスネート(artesunate)は2010年以降、重症マラリア治療の第一選択薬としてWHOに推奨されている。2010~2012年、アーテスネートによる重症マラリア治療後の遅延型溶血性貧血について医学系雑誌に報告があったため、CDCのマラリア部局が再調査を行った。文献検索で得た6文献(計19例)に加えて、文献で参照されていた症例報告を解析した。報告は米国外のマラリア非流行国における発生で、患者のうち18例はサハラ以南のアフリカ、1例はインドへの旅行歴があった。全例アーテスネートによる治療によく反応し、平均して治療5日目までに赤血球内マラリア原虫は消失した。全患者でアーテスネート治療終了8~32日後に溶血と貧血増悪がみられた。血中ヘモグロビン平均最低値は6.2g/dL(4.4~8.6 g/dL)と低下し、乳酸脱水素酵素値の上昇、ビリルビン値の上昇、網赤血球数等の臨床検査結果も溶血を示していた。12例は輸血が必要であった。溶血は解消し、アーテスネート投与4~8週後にヘモグロビン値は改善した。調査の結果、これらの報告では遅延型溶血性貧血がアーテスネート治療に関連するものか、単に重症マラリアの症状であったのかは明らかでなかった。アーテスネートは米国では未認可であるが、臨床試験中の新薬としてCDCから供給されている。2010年には米国内で176例の重症マラリアがCDCに報告されており、そのうち39例(22%)がアーテスネートによる治療を受けたが、遅延型溶血性貧血の報告はなかった。アーテスネート製造に関して米国はGMPに準拠している唯一の国であり、その他のGMP非準拠国で製造された薬剤が遅延型溶血性貧血の原因となった可能性もある。CDCは米国内でアーテスネートによる重症マラリア治療を受けた場合には、治療後4週間のヘモグロビン値のモニタリングを行い、ヘモグロビンの有意な低下はCDCに報告するよう勧告した。

References

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