一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2012年(Vol.61)母親と新生児におけるマダニ媒介型回帰熱-コロラド、・・・

MMWR抄訳

rss

2012/03/16Vol. 61 / No. 10

MMWR61(10):174-176
Tickborne Relapsing Fever in a Mother and Newborn Child - Colorado, 2011 

母親と新生児におけるマダニ媒介型回帰熱-コロラド、2011年

マダニ媒介型回帰熱(TBRF)はBorrelia属による細菌感染症であり、Ornithodoros属のマダニを介して伝播する。特徴的な症状は、回帰熱、筋肉痛、倦怠感である。アメリカ西部はTBRFが風土病となっており、標高2,000フィート以上の場所にあるげっ歯類が生息する小屋の宿泊者でしばしば感染がみられる。2011年5月10日、CDCとColorado Department of Public Health and EnvironmentはTBRFを発症した若年女性とその新生児の報告を受けた。この報告は、これら2例の臨床経過をまとめたものである。2011年5月2日、24歳の女性が1週間続く発熱、悪心、頭痛、頸部硬直などを主訴としてコロラド州の地域の救急診療部を受診した。患者は、約20時間前に医療関係者がいない山小屋で出産していた(妊娠39週)。血液検査所見より分娩後敗血症と診断し、入院して抗生物質による経験的治療を行った。その後症状は改善し、5月5日に退院した。受診時に連れていた新生児は当初健常であったが、5月4日に新生児黄疸を発症し、5月7日には発熱や血小板減少などが出現した。抗生物質による敗血症の治療を行ったが血小板減少症が進行したため、ペニシリンGの静注と血小板輸血を開始した。その後回復し、5月20日に退院した。5月7日に新生児より採取した末梢血の塗抹標本にてTBRFの所見と一致するスピロヘータが検出され、PCR法にてBorrelia hermsiiの感染を認めた。新生児のスピロヘータ血症の結果を受け、母親もTBRFと推定しドキシサイクリンによる治療を行った。5月13日に採取した母親の血清はB.hermsii抗体陽性であり、臨床経過と血清学的検査所見より母親は出産の1週間前にB.hermsiiに感染したことが示唆された。母親は出産前の18日間、コロラド州の標高約8,800mフィートの森の中の電気や水道のない山小屋で暮らしていた。この小屋の環境調査ではげっ歯類の活動は確認されずマダニも発見されなかったが、小屋のオーナーの許可がでなかったため壁の中のげっ歯類の巣の捜索はできなかった。不明熱あるいは回帰熱患者の鑑別診断では、特にTBRFが風土病となっている地域の住民や同地域への旅行歴がある場合、TBRFを考慮するべきである。また妊婦や新生児は重度TBRFのリスクが高いため、早期診断と早期治療が重要である。TBRF患者の公衆衛生的追跡調査では、今後の感染を防ぐため患者と一緒に曝露された可能性のある人々の調査や環境調査・環境改善を行う必要がある。

References

  • Dworkin MS, Schwan TG, Anderson DE Jr. Tick-borne relapsing fever in North America. Med Clin North Am 2002;86:417-33, viii-ix.
  • Southern PM Jr, Sanford JP. Relapsing fever: a clinical and microbiological review. Medicine 1969;48:129-49.
  • Dworkin MS, Anderson DE Jr, Schwan TG, et al. Tick-borne relapsing fever in the northwestern United States and southwestern Canada. Clin Infect Dis 1998;26:122-31.
  • Davis RD, Burke JP, Wright LJ. Relapsing fever associated with ARDS in a parturient woman. A case report and review of the literature. Chest 1992;102:630-2.
  • Guggenheim JN, Haverkamp AD. Tick-borne relapsing fever during pregnancy: a case report. J Reprod Med 2005;50:727-9.
  • Fuchs PC, Oyama AA. Neonatal relapsing fever due to transplacental transmission of Borrelia. JAMA 1969;208:690-2.
  • Morrison SK, Parsons L. Relapsing fever: report of three cases, one in a six day old infant. JAMA 1941;116:220-1.
  • Steenbarger JR. Congenital tick-borne relapsing fever: report of a case with first documentation of transplacental transmission. Birth Defects Orig Artic Ser 1982;18(3 Pt A):39-45.
  • Malison MD. Relapsing fever. JAMA 1979;241:2819-20.
  • Wynns HL. The epidemiology of relapsing fever. In: In: Moulton FR, ed. A symposium on relapsing fever in the Americas. Washington, DC: American Association for the Advancement of Science; 1942.

このコンテンツに「いいね」する

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ