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MMWR抄訳

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2012/02/03Vol. 61 / No. 4

MMWR61(4):61-65
Recovery of a Patient from Clinical Rabies - California, 2011 

臨床的狂犬病から回復した1症例-カリフォルニア、2011年

2011年5月、カリフォルニア州に住む8歳の女児が1週間前に発症した進行性の咽喉炎と嚥下困難、脱力感を主訴として地域の救急診療部を受診した。患者は錯乱状態にあり呼吸困難とアシドーシスを認めたため、挿管して人工呼吸管理とし第三次医療施設へ搬送された。小児ICUに入室後、弛緩性麻痺と脳炎を発症し、血清および髄液中の狂犬病ウイルス特異的抗体の検出、臨床症状などより狂犬病と診断された。治療的昏睡(ケタミン、ミダゾラムによる鎮静)を含む先進的支持療法(アマンタジン、ニモジピン[脳血管攣縮予防]の投与など)を行った結果、15日後に抜管に成功し、37日後に退院した。退院時に認知機能障害の徴候はなく、歩行や日常生活も可能であった。公衆衛生調査の結果、可能性のある感染源として患者の通っている学校での狂犬病ワクチンを接種していない野良猫との接触が確認された。これらの猫を数匹捕獲し観察したが、健康状態は良好であった。しかし少なくとも1匹は追跡調査ができなかった。患者の唾液に曝露された可能性のある27例に狂犬病の曝露後予防(PEP)を行った。その後、さらなる狂犬病患者は同定されていない。本症例は、発症前に狂犬病ワクチンの接種歴がなく臨床的狂犬病から回復した3例目の報告である。医師は急性進行性脳炎患者の診療時には鑑別診断として狂犬病を考慮し、検査を行う必要がある。また狂犬病予防のためには、家庭で飼育している動物に対するワクチン接種、ワクチン接種を受けていない野生動物との接触の回避、曝露後の迅速なPEPが重要である。

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