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MMWR抄訳

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2012/01/06Vol. 60 / No. 51&52

MMWR60(51&52):1734-1736
Imported Human Rabies - New Jersey, 2011

輸入ヒト狂犬病-ニュージャージー、2011年

米国ではイヌ狂犬病ウイルスの伝播は2004年以降報告されていないが、ハイチではイヌの間でその伝播が続いている。2011年7月8日、New Jersey Department of Health and Senior Services(NJDHSS)は原因不明の急性進行性脳炎のため入院中であるハイチ人の73歳女性に狂犬病の可能性があることをCDCに報告した。この報告は、本症例の臨床経過と公衆衛生調査の結果をまとめたものである。本症例は6月30日に右肩痛、胸痛、頭痛、高血圧治療下での血圧上昇を主訴としてニュージャージー州の救急診療部(ED)を受診した。鎮痛薬を処方され一旦帰宅したが、翌日息切れ、痙攣、幻覚、平衡感覚の異常を訴え別のEDを受診した。EDでの診療中に精神状態の変化がみられたため7月2日に入院し、脳波やMRIの所見より脳炎と診断された。病因として感染症を除外するため各種検査を行い、CDCによる検査の結果、7月18日にハイチ由来イヌ狂犬病ウイルスの感染症と確定された。患者は神経症状が悪化し続け、7月20日に死亡した。入院時に患者は動物との接触歴がないと報告していたが、ハイチに住む患者の家族に聞き取り調査を行ったところ、患者はハイチで2011年4月に野良犬であった飼い犬に咬まれており、その後病院を受診していなかったことが判明した。患者との密接な接触歴のある家族3名と来客者1名、病院スタッフ10名に狂犬病の曝露後予防を行った。本症例は、2000年以降にハイチで感染し米国で診断されたヒト狂犬病の3例目の報告である。原因不明の急性進行性脳炎患者、特にイヌ狂犬病が風土病となっている国に渡航あるいは居住した経験のある患者の診察時には、動物との接触歴が不明であっても鑑別診断に狂犬病を考慮し、患者の詳細な経歴を聴取する必要がある。またどの動物でも、咬まれた場合には医学/公衆衛生専門家に相談することが重要である。

References

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