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MMWR抄訳

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2011/07/29Vol. 60 / No. 29

MMWR60(29):989-991
Progress Toward Elimination of Lymphatic Filariasis - Togo, 2000-2009

リンパ系フィラリア症の根絶に向けた進展-トーゴ、2000~2009年

リンパ系フィラリア症(LF)は、寄生性フィラリア線虫、Wuchereria bancrofti、Brugia malayi、Brugia timoriによって引き起こされる蚊媒介疾患である。2000年、Global Program to Eliminate LF(GPELF)は公衆衛生上の課題として2020年までのLF根絶という目標を設定した。2000年には80ヶ国でLFの伝播が持続しており、13.4億人が感染リスクを有し、感染例は1.2億人と推定された。LF根絶戦略として年1回の集団薬物療法(MDA)が推奨されており、LFの制御と根絶のためにMDAが必要と決定されたWHOアフリカ地域の34ヶ国中19ヶ国が2009年までに介入を開始した。この報告は、WHOのアフリカ地域においてLFが風土病となっている39ヶ国のうちのひとつであるトーゴにおけるLF根絶プログラムについて述べたものである。トーゴにおけるLF伝播遮断アプローチはLFの風土病地区を同定するための感染症のスクリーニング、LF風土病地区におけるイベルメクチンとアルベンダゾールによるMDAを含み、MDAによる駆虫剤の投与率とMDAのLF有病率への影響もモニタリングした。LF根絶プログラムを開始した2000年には全国35地区のうち7地区でLFが風土病となっており、ベースライン時のLF有病率は1%~22%であった。2009年までに各LF風土病地区でMDAを6~9回実施した。2009年にはLF風土病地区における駆虫薬の投与率が80%を超え、MDAの影響をモニタリングするために検査を行った人々においてミクロフィラリア血症が検出されなかった。この結果を受け、WHOの基準(LF風土病地区において少なくとも連続5年間MDA実施に成功、MDAによる高い駆虫薬投与率、ミクロフィラリア血症の有病率が伝播持続に必要と推定されるレベル未満[<1%]に低下)に基づきMDAの中止を決定した。トーゴはサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で初めてMDAを中止した国であり、LFの有病率のデータよりLFの伝播遮断が示唆された。MDA中止後も全国的サーベイランスを継続しており、次のステップは根絶の証明である。トーゴでのLF根絶プログラムの成功は、資源が限られた国々でも既存の技術やWHOガイダンスの利用と強力なパートナーシップの支援によりLF根絶が可能であることを示唆する。今後、LFが風土病となっているアフリカの国々におけるMDAの中止時期の決定・MDA中止後のサーベイランス・LF根絶の証明のために、プロトコールや血清学的検査の改善が必要である。

References

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