一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2011年(Vol.60)ヒト狂犬病-ミシガン州、2009年

MMWR抄訳

rss

2011/04/15Vol. 60 / No. 14

MMWR60(14):437-440
Human Rabies - Michigan, 2009

ヒト狂犬病-ミシガン州、2009年

2009 年11月9日、ミシガン州の病院からCDCに狂犬病の疑いのある55歳男性について報告があった。男性は左手と左腕、さらに首の下から背中にかけて疼痛と知覚麻痺が進行したため、10月30日、救急外来(ED)を受診した。しかし症状は増悪、脱力感もあり、さらには手を握ることができなくなり、腕も数インチしか上げられなくなった。ED受診時、発熱はなく、血圧も正常であったが、白血球数および血糖値の上昇が認められた(白血球数:15,300/μL、血糖値:155mg/dL)。EDにて検査中に呼吸困難となったため、人工呼吸器を装着し、第三次施設に搬送された。この時点では脳血管障害または急性特発性脱髄性多発神経炎(AIDPまたはギランバレー症候群)による呼吸不全が考えられ、MRIおよび筋電図所見からAIDPが疑われ、静注免疫グロブリン療法が行われた。入院から2日間の間に、左上半身の脱力感が進行し、右半身および下肢へ広がり、反射消失と足底刺激応答消失を来した。11月3日には四肢麻痺、脳脊髄液(CSF)分析ではタンパク質:109mg/dL、糖:92mg/dL、白血球数:243/μLといずれも異常に上昇、4日には左足痙攣、眼振、非対称瞳孔などの神経学的異常を呈し、髄膜脳炎の疑いに変更された。8日、患者が9ヶ月前にコウモリと接触しており、この時医師の診察を受けていなかったが判明した。その後患者の状態は悪化、完全弛緩麻痺から昏睡状態、心電図もフラットとなり、11日、患者の家族が生命維持装置の停止に同意、患者はまもなく死亡した。コウモリ暴露歴があることから狂犬病が疑われ、CDCにて検査した結果、12日、血清およびCSF検体にて狂犬病ウイルス抗体が検出され、14日に脳検体にて直接蛍光抗体法により狂犬病ウイルス抗体陽性が認められた。これを受けて家族や友人14名に対し問診が行われ、11名が曝露後予防 (PEP)を受け、また、治療に携わった医療関係者のうち6名がPEPを受けた。アメリカでは1980~2009年、狂犬病患者は43例報告され、うち 39例(91%、4~42歳、男28女11)はコウモリとの接触によるものである。狂犬病は発症した場合、ほぼ死に至るため、コウモリに噛まれたり、引っ掻かれたりした場合は直ちに医療機関を受診すべきである。

References

  • CDC. Human rabies prevention-United States, 2008. Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices. MMWR 2008; 57(No. RR-3).
  • Noah DL, Drenzek CL, Smith JS, et al. Epidemiology of human rabies in the United States, 1980 to 1996. Ann Intern Med 1998;128:922-30.
  • CDC. Use of a reduced (4-dose) vaccine schedule for postexposure prophylaxis to prevent human rabies: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices. MMWR 2010;59(No. RR-2).
  • De Serres G, Dallaire F, Côte, Skowronski DM. Bat rabies in the United States and Canada from 1950 through 2007: human cases with and without bat contact. Clin Infect Dis 2008;46:1329-37.
  • CDC. Human rabies-Missouri, 2008. MMWR 2009;58:1207-9.
  • CDC. Presumptive abortive human rabies-Texas, 2009. MMWR 2010; 59:185-90.
  • CDC. Human rabies-Kentucky/Indiana, 2009. MMWR 2010; 59:393-6.
  • Kwok RK, Linet MS, Chodick G, et al. Simplified categorization of outdoor activities for male and female U.S. indoor workers-a feasibility study to improve assessment of ultraviolet radiation exposures in epidemiologic study questionnaires. Photochem Photobiol 2009;85:45-9.
  • Näslund GK. Relationships between health behavior, knowledge, and beliefs among Swedish blue-collar workers. Scand J Soc Med 1997; 25:100-10.
  • Gustafson PE. Gender differences in risk perception: theoretical and methodological perspectives. Risk Anal 1998;18:805-11.

このコンテンツに「いいね」する

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ