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MMWR抄訳

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2011/03/25Vol. 60 / No. 11

MMWR60(11):343-346
Vitamin B12 Deficiency in Resettled Bhutanese Refugees - United States, 2008-2011

移住したブータン難民におけるビタミンB12欠乏症-アメリカ、2008~2011年

ビタミンB12欠乏症はアメリカではまれな疾患だが(高齢者以外)、発展途上国では動物性食品や強化食品の摂取不足のため発症頻度がより高い。ビタミン B12欠乏症は巨赤芽球性貧血や末梢神経障害などの神経症状を誘発するが、長期欠乏後でもビタミンB12の補充により治療可能である。2008年以降、約 3万人のブータン難民がネパールの難民キャンプからアメリカに移住した。しかし到着後の健康診断においてブータン難民におけるビタミンB12欠乏症による血液/神経疾患が明らかになったことから、CDCは調査を開始した。この調査では、海外での血液検査の結果、到着後3州の保健局(ミネソタ州、ユタ州、テキサス州)で行われた健康診断の結果、ミネソタ州セントポールのクリニックでの診療記録とインタビューのデータを分析した。海外での血液検査では99例中 63例(64%)がビタミンB12欠乏症(血清中ビタミン12濃度203pg/mL未満)であった。また到着後のスクリーニングでは64名中17名 (27%)がビタミンB12欠乏症であった。ビタミンB12欠乏症の有病率は15歳以上群が32%、15歳未満群0%であり、血清中ビタミンB12濃度は年齢とともに低下した。セントポールのクリニックでのスクリーニングでは60名中19名(32%)がビタミンB12欠乏症であった。ビタミンB12欠乏症 19例に貧血はみられなかったが、4例(21%)は大赤血球症、2例(11%)は末梢神経障害を有しており、Helicobacter pyloriに対する抗体を検査した6例中5例(83%)は抗体陽性であった(ビタミンB12欠乏のない4例では1例が抗体陽性)。ブータン難民におけるビタミンB12欠乏症の原因には複数の因子が関与している可能性があるが、主因はネパールでの約20年間の食事内容(食事性ビタミン B12の供給源である肉、卵、乳製品の摂取なし)と考えられ、H.pylori感染も関与している可能性があった。ブータン難民はビタミンB12欠乏症のリスクが高いため、全てのブータン難民に対してアメリカ到着時に栄養指導とビタミンB12の補充を行う必要がある。またビタミンB12欠乏症を示唆する臨床症状を有する難民については血清中ビタミンB12濃度を測定し、欠乏症と診断した場合は原因の調査・非経口的ビタミンB12製剤あるいは大量経口サプリメントによる治療・治療反応性の評価を行うべきである。

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