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MMWR抄訳

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2011/03/18Vol. 60 / No. 10

MMWR60(10):306-311
Progress Toward Interrupting Wild Poliovirus Circulation in Countries With Reestablished Transmission - Africa, 2009-2010

ポリオ根絶後に野生株輸入により再流行した国における感染阻止の進歩-アフリカ、2009~2010年

2002 年以降、インドおよびナイジェリアを起源とする野生型ポリオウイルス(WPV)の輸入によるポリオ根絶国(39ヶ国)での再流行が報告されている。その多くは6ヶ月以内に収束しているが、アンゴラ、チャド、コンゴ共和国(DRC)およびスーダンでは、1年以上の長期にわたりWPVの蔓延が認められている。チャドでは2007年、ナイジェリアよりWPV3が輸入され、その後も伝播が続いており、2009から2010年にかけては国内18地方のうち17地方にて79例が感染、2009年にはカメルーン、中央アフリカ共和国に広がっている。スーダンでは2004年、ナイジェリアからチャドを経由してWPV1が輸入され、2004~2005年に北部および南部にて伝播し、8ヶ国へ広がった。このWPV1の伝播は2005年8月~2008年3月には認められていないが、2009年、エチオピア、ケニア、ウガンダでのWPV1アウトブレイクに関連して2009年6月までに70例報告され、2004年以降の感染例は計 226例となっている。アンゴラでは2005年のWPV1輸入によるアウトブレイクが2007年まで続き、ナミビア、DRC、中央アフリカ共和国およびブルンジへ広がった。2007~2010年のWPV1輸入によるアウトブレイクでは74例の感染が確認され、2011年まで継続しており、さらに2008年にはWPV3が輸入されている。DRCでは2006~2008年、アンゴラからWPV1が輸入され、6例での感染が確認されている。2010年にもアンゴラからWPV1が入り、南部国境付近にてアウトブレイクが発生、さらの2回の輸入が確認されている。これら4ヶ国では衛生的基盤が弱く、予防接種率も低く、小児への追加接種活動(SIAs)も十分に機能していないのが現状である。世界的なポリオ根絶にはこれらの国々におけるWPVの感染阻止が早急に必要であり、対策の推進と支援が急務であると考える。

References

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