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MMWR抄訳

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2011/03/18Vol. 60 / No. 10

MMWR60(10):297-301
HIV Transmitted from a Living Organ Donor - New York City, 2009

生体臓器ドナーからのHIV感染-ニューヨーク市、2009年

アメリカでは臓器ドナーに対し、HIV感染のスクリーニング検査を行っており、臓器移植によるHIV感染は稀であるが、2010年、ニューヨーク市の保健精神衛生局(NYCDOHMH)に臓器移植によるHIV感染例が報告された。2009年、NYCのA病院にて透析に依存する腎不全患者に対し生体ドナーから腎臓が移植された。レシピエントは移植手術の12日前の検査ではHIV陰性であったが、移植後、発熱性疾患、腎機能不全、移植拒否の検査のため数回にわたり入院を繰り返していた。1年後、口内および食道カンジダ症のため入院し、HIVスクリーニング検査を行ったところ、陽性を示した。ウエスタンブロット法によりHIV感染が確認され、CD4細胞数も100/μL未満であったが、免疫抑制療法によるもるものと考えられていた。ドナー(成人男性)はA病院にて 2009年、生体腎臓ドナーとしてのスクリーニング検査を受けており、移植手術の79日前の検査ではHIV、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)感染ともに陰性であった。約1年後、ドナーのHIV感染を受け、再度、HIV抗体検査が行ったところ陽性を示し、ウエスタンブロット法にて HIV感染が確認された。ドナー、レシピエントともに本人に対する問診が行われ、ドナーに移植の1年前から同性のパートナーがいたことが判明した。移植 57および11日前のドナー冷凍白血球検体、移植11日前および12日後のレシピエント白血球検体をCDCにて検査した結果、レシピエントの移植11日前の検体はHIV RNAで非反応性、12日後は反応性を示した。移植404日後、両者から血液を採取し、HIV DNA配列を分析した結果、98%の同一性をもって一致し、2つのウイルスは高い近縁性を示し、臓器移植によるHIV感染と確認された。今後、生体臓器移植に際しては、ドナーに対しより感度の高い検査を採用すべきであると思われる。

References

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