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ホームIMICライブラリMMWR抄訳2010年(Vol.59)ポリオウイルス伝播遮断の進展-全世界、2009年

MMWR抄訳

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2010/05/14Vol. 59 / No. 18

MMWR59(18):545-550
Progress Toward Interruption of Wild Poliovirus Transmission - Worldwide, 2009

ポリオウイルス伝播遮断の進展-全世界、2009年

ポリオ患者は1988年には125ヶ国で年間約350,000例発生していたが、ワクチン接種の取り組みにより2005年までに4ヶ国(アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン)以外全ての国々で土着の野生型ポリオウイルス1型(WPV1)、3型(WPV3)の伝播が根絶した。WPV2型 (WPV2)についても1999年以降患者の報告はない。この報告は、2009年の世界的WPV根絶に向けた進展状況としてルーチンでのワクチン接種率、補足的予防接種活動(SIA)、急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランス、WPV感染症発症率、ワクチン由来ポリオウイルスの循環について以前の報告を更新する。2008年の乳児に対するルーチンでの3価経口ポリオウイルスワクチン(tOPV)3回接種率(生後12ヶ月まで)は全世界で約83%であったが、WPV伝播が続いている4ヶ国の一部地域での接種率は40%未満であった。2009年には40ヶ国で270回のSIAが行われ、5歳未満の小児約 36,000万人がOPV接種を受けた。AFPサーベイランスについては、各WHO管轄地域(ヨーロッパ地域以外)が保証標準レベルの感度を維持していた。2009年には全体で1,606例のWPV感染症例が報告された(2008年:1,651例)。このうち1,256例(78%)はポリオが依然として風土病となっている4ヶ国からの報告であり、207例(13%)は以前ポリオフリーであった15ヶ国からの輸入WPV感染例の報告、143例(9%)は輸入後の再伝播が確立された(輸入後12ヶ月以上伝播)4ヶ国からの報告であった。WPV3感染症の発症率は2008年の675例から2009年には 1,124例へと67%増加したが、WPV1感染症の発症率は2008年の976例から2009年には482例へと51%低下した。インドでは、2009 年のポリオ患者(741例)のほぼ全てがハイリスク地域であるUttar Pradesh西部とBihar中央部で報告された。2009年のアフガニスタンとパキスタンにおけるポリオ発症例はそれぞれ38例、89例であり、アフガニスタンでは紛争地域における小児へのワクチン接種が困難であるため、パキスタンでは一部地域での作業上の制限のため、ハイリスク地域でのWPV循環が続いていた。ナイジェリアでは、患者数が2008年の798例から2009年には388例へと51%減少した。2009年には以前ポリオフリーであったアフリカの19ヶ国で輸入WPVによるアウトブレイクが発生した。循環ワクチン由来ポリオウイルス(cVDPV)は6ヶ国のAFP症例で175株検出された。ポリオ根絶のさらなる進展のためには、伝播遮断の障壁への対策とSIAでの2価OPV(WPV1、WPV3)の接種拡大が重要である。現在、2012 年末までのポリオウイルス伝播遮断を目標とした2010-2012年世界的ポリオ根絶イニシアチブ(GPEI)戦略が実施されている。

References

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  • Thompson KM, Duintjer-Tebbens RJ. Eradication versus control for poliomyelitis: an economic analysis. Lancet 2007;369:1363-71.

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