ヒト狂犬病－ケンタッキー/インディアナ州、2009年

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MMWR抄訳

2010/04/09Vol. 59 / No. 13

MMWR59(13): 393－396
Human Rabies － Kentuckyndiana, 2009

ヒト狂犬病－ケンタッキー/インディアナ州、2009年

2009 年10月19日、ケンタッキー州の医師から狂犬病の疑いのある症例(インディアナ州在住、43歳男性)について、CDCへ連絡が入った。この男性は、10 月5日発熱と咳のため受診、肺聴音にて粗ラ音を認めた他に異常はなく、気管支炎と診断され、抗生物質が投与された。6日、発熱と寒気が増悪、胸痛と左腕のしびれ感も現れ、7日、静座不能と運動不穏状態となり、救急外来の医師が入院を勧めたが拒否し帰宅した。8日、筋束状化、発熱、頻拍および低血圧を来し、敗血症の疑いがあるとして入院となった。入院後、容態は急速に悪化、9日にはケンタッキー州の病院に移送された。様々な検査が行われたが病因がわからず、 19日、狂犬病の診断のため血清、唾液、項部皮膚生検検体がCDCに送られたが、患者は20日、脳死状態となり、人工呼吸器が外され、同日死亡した。22 日、CDCにてIFAアッセイにより血清検体にて狂犬病特異免疫グロブリンGおよび免疫グロブリンM抗体(それぞれ1:2,048、1:512)、 RFFIT法により狂犬病ウイルス中和抗体か検出された。CSF検体はIFA、RFFITいずれも陰性であった。家族から解剖の依頼があったが、生物学的リスクから病院が難色を示したため、診断確定のための組織採取を頭部に限定して行われた。狂犬病ウイルス抗体は中枢神経系(CNS)にて検出され、唾液およびCNS検体より狂犬病ウイルスRNAが検出された。10月23日より、患者の家族、友人、同僚、医療関係者などを対象に問診が行われ、発症前後2週間に接触のあった159名のうち、18名に曝露後予防(PEP)が行われ、現時点において、狂犬病の発症例は認めていない。感染源については不明である。

References

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