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MMWR抄訳

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2010/02/12Vol. 59 / No. 5

MMWR59(5):125-129
Update: Mumps Outbreak - New York and New Jersey, June 2009-January 2010

最新情報:おたふく風邪のアウトブレイク-ニューヨークとニュージャージー州、2009年6月~2010年1月

2009年6月、ニューヨーク州(NY)においておたふく風邪のアウトブレイクが発生した。最初の症例は6月17日にイギリス旅行から帰国した11歳の少年であり、帰国後に参加したサマーキャンプ(NY、サリバン郡)にて発症(6月28日)、その後キャンプ参加者に感染が広がり、2010年1月29日現在、計1,521例が報告されている。これらの症例はNYとニュージャージー州(NJ)の7つの郡にて発生し、ニューヨーク市(主にブルックリン)にて675例(44%)と最も多く、次いでオレンジ郡(364例、24%)、ロックランド郡(298例、20%)、NJの4郡(159例、10%)の順であり、年齢が明らかな 1,518例では1,385例(91%)が6歳以上であり[中央値15歳(3ヶ月~90歳)]、性別が明らかな1,489例では1,136例(76%)が男性であった。報告された合併症は精巣炎(55例)、膵炎(5例)、無菌性髄膜炎(2例)、一過性の難聴(1例)、顔面麻痺(1例)、卵巣炎(1例)であり、19例が入院、死亡例は報告されていない。Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)はMMRワクチンを2回(1回目:12~15ヶ月齢、2回目:4~6歳)接種するよう勧告しており、予防接種の状況が明らかな1,115例(18歳以下:966、19歳以上:149)では、976例(88%)はアウトブレイク前に少なくとも1回、839例(75%)は少なくとも2回、おたふく風邪を含むワクチンの接種を受けていた。7~18歳では93%が少なくとも1回、85%が2回のMMRワクチン接種を受けていた。今回のアウトブレイクによる症例群はワクチン接種率が高く、ワクチン接種はおたふく風邪の発症を十分には抑制できないと考えられる。アウトブレイクは現在も進行しており、州や地域の保健局は予防接種が完了していない小児および予防接種の状態がわからない成人は接種を受けるよう勧告を出しており、また、NYオレンジ郡では2010年1月19日より2ヶ月以上感染が拡大している学校(3校)にて3回目のワクチン接種を開始、現在その効果を調査している。

References

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