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MMWR抄訳

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2009/07/03Vol. 58 / No. 25

MMWR58(25):689-694
Hepatitis A Vaccination Coverage Among Children Aged 24-35 Months - United States, 2006 and 2007

24~35ヶ月齢の小児におけるA型肝炎ワクチン接種率-アメリカ、2006、2007年

アメリカでは1995~1996年に24ヶ月齢以上の小児に対するA型肝炎ワクチンの2回接種レジメンが承認され、1996年にAdvisory Committee on Immunization Practices(ACIP)がA型肝炎高発生率の地域または州に住む24ヶ月齢以上の小児に対するワクチン接種を勧告している。1999年、ACIP はガイドラインを改訂し、対象をA型肝炎発症率が全国平均の2倍以上である11州の24ヶ月齢以上の小児とし、また、発症率が全国平均を上回る6州に対して接種勧告を検討するよう奨励していた。しかし、2005年、A型肝炎発症率の全国平均が低下し、州による相違が小さくなってきたことから、接種勧告の再評価が行われ、さらに、2005年には12~23ヶ月齢の小児に対するA型肝炎ワクチンが承認されたことから、ACIPは2006年、A型肝炎ワクチンの接種対象を国内全ての小児に拡大し、年齢も12~23ヶ月齢へと引き下げた。今回、2006および2007年のNational Immunization Survey(NIS)データより、24~35ヶ月齢の小児におけるA型肝炎ワクチンの接種率が分析された。NISは19~35ヶ月齢の小児がいる家庭を対象とした無作為電話調査を行っており、回答率は2006年:64.5%、2007年:64.9%、ワクチン接種の記録が得られた小児は2006 年:21,044名(70.4%)、2007年:17,017名(68.6%)であり、うち24~35ヶ月齢の小児はそれぞれ14,804名、 12,018名であった。このデータから推定されるA型肝炎ワクチンの接種率の全国平均は2006年:26.3%、2007年:47.7%であり、 2006年に接種勧告対象となった33州およびDCにて2006年:7.2%、2007年:32.7%と最も大きく接種率が増加し、州別では2006年は 0.4%(メイン州)~17.7%(テネシー州)、2007年は11.6%(メイン州)~60.1%(ロードアイランド州)であった。1999年に接種勧告対象となった11州では62.8%から74.1%に増加、州別では2006年は7.4%(サウスダコタ州)~73.7%(オクラホマ州)、2007年は 31.6%(サウスダコタ州)~82.8%(アラスカ州)であった。接種勧告の検討が奨励された6州では48.8%から66.6%に増加、州別では 2006年3.6%(アーカンソー州)~62.5%(テキサス州)、2007年は11.7%(アーカンソー州)~77.5%(テキサス州)であった。人種別では2006年、2007年とも非ラテン系白人(50.3%、62.4%)に比べアメリカンインディアン/アラスカ原住民(64.0%、78.9%)、ラテン系(63.0%、78.9%)、アジア系(2007年のみ75.1%)と有意に高く、また、対象年齢の引き下げにより12~23ヶ月齢の小児の占める割合は2007年、2006年より前に接種勧告または検討が推奨された17州にて約1/2、2006年に勧告対象となった33州およびDCにて約2/3 であった。

References

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