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MMWR抄訳

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2008/12/19Vol. 57 / No. 50

MMWR57(50):1349-1353
Outbreak of Histoplasmosis Among Travelers Returning From El Salvador - Pennsylvania and Virginia, 2008

エルサルバドルから帰国した旅行者におけるヒストプラスマ症のアウトブレイク-ペンシルベニア、バージニア州、2008年

ヒストプラスマ症はHistoplasma capsulatumによる真菌感染症であり、鳥やコウモリの糞に汚染された土壌から感染し、肺炎や全身性真菌症を引き起こす。ヒストプラスマ症を風土病とする地域から帰国した旅行者における発症率は0.5%以下である。今回、2008年2~3月にかけて、ペンシルベニアとバージニア州から教会修復のためエルサルバドルへ派遣されたグループにおけるヒストプラスマ症のアウトブレイクについて報告する。2008年1月20~27日、ペンシルベニア州より11名がエルサルバドルのヌエバサンサルバドルにある教会修復のため派遣され、教会内外の修復部分の清掃、電気および配管工事、部屋の増設、屋根の修理、浄化槽の穴掘りなどの作業を行った。このうち9名が呼吸器疾患を発症、Pennsylvania Department of Health(PADOH)からVirginia Department of Health(VDH)に報告された。この教会には1月3~10日にバージニア州より16名、2月2~10日にペンシルベニア州より8名(2回目)が派遣されており、このうち33例(/35例、94%)に関して、1)研究室レベルでのH. capsulatum感染例、2)エルサルバドル到着後24時間以降に発現した自己申告による発熱と頭痛、咳、胸痛、呼吸困難のうち 2つ以上の症状を来した症例を調査した。20例[男12女8、バージニア州:5/14例、ペンシルベニア州:9/11例、6/8例(2回目)]にて発症が確認され、罹患率は61%であった。エルサルバドル到着後から発症までは12(3~25)日間、初期症状は疲労感(100%)、発熱または寒気 (95%)、頭痛(95%)などが多く、19例(95%)が医療機関を受診、6例(30%)が入院を要した。発症リスクと有意な相関性を認めた因子は穴掘り(RR=2.6)、屋外の掃除や清掃(RR=2.1)、浄化槽の穴掘り(RR=1.7)であった。ヒストプラスマ症は菌が土壌中で成長し、鳥やコウモリの糞がその成長を助長するため、建築や修復工事の際に感染することが多い。アメリカ中西部および中部、メキシコ、中央および南アメリカ、ヨーロッパ西部および南部の一部、アフリカの一部、西アジアおよびオーストラリアでの発症が認められており、これらの地域での建築作業や農作業に従事するため渡航する場合、感染リスクが高いことを十分に認識するとともに、急性発熱性呼吸器疾患を発症した場合にはヒストプラスマ症を疑うことも重要である。

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